“平成のKOキング”の愛弟子が東日本新人王決勝戦へ 苗村修悟「倒して勝てたらいいな」
プロボクシングの東日本新人王決勝戦(20日、後楽園ホール)の前日計量が19日、東京都文京区の日本ボクシングコミッション事務局で行われ、フライ級の決勝で激突する苗村修悟(26=SRS)と宝珠山晃(24=三迫)はともにリミットの50.8キロで一発でクリアした。
現役時代に“平成のKOキング”と呼ばれた坂本博之氏が会長を務めるSRSジム所属の苗村は、ここまで4戦4勝4KO。本人は「KOにこだわりはない。結果的にそうなっているだけ」と話すが、2戦連続1回KOで決勝に勝ち進んできた。
双子の兄・修次さんとともに少年時代を児童養護施設で過ごした。同じ境遇の坂本会長が全国の養護施設を支援する活動で苗村のいる施設を訪問。それがボクシングとの出会いだった。
「怖い人が来るのかなと思っていたら、優しくて堂々としていて自信に満ちあふれていてカッコいいなと。自分とは全然違っていた。会長にミットを持ってもらってパンチを打ったら、ほめてくれた。それがすごくうれしくて。ほめてもらうなんてなかったから」
高校卒業後、2年間働いてお金を貯めた苗村は20歳でSRSジムに入門。一時期、ボクシングを離れたが、2年ほど前から本気で取り組み、昨年9月のプロデビューから快進撃を続けている。
リングに立つ理由は尊敬する師と同じ。
「施設の子って人生を諦めちゃう子とか多いんですけど、自分の頑張り次第でいくらでも良い方向に持っていけるって思われるような存在になりたい」
対戦相手の宝珠山は3戦2KOで、苗村より7センチ長身のサウスポー。坂本会長から「自分に自信を持ってやって来たことを出せ」とゲキを飛ばされたという苗村は「KOを狙っている訳じゃないけど、倒して勝てたらいいなと思っています」と静かに意気込みを語った。
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