8回KOで世界奪取の中谷潤人「反省点はあるけど、世界王者になれたので100点をもらいたい」
WBO世界フライ級王座決定戦 〇中谷潤人 KO8回2分10秒 ジーメル・マグラモ● ( 2020年11月6日 後楽園ホール )
同級3位の中谷潤人(22=M.T)がプロデビューから21連勝で世界王座を獲得した。ダウン経験のなかった同級1位のジーメル・マグラモ(26=フィリピン)に接近戦でも打ち勝ち、8回に左アッパーから左フックで倒してテンカウントでのKO勝利。試合後、リモート会見で喜びを語った。
――ダウンを奪った瞬間の手応えは。
「その前のラウンドから(マグラモが)段々、スタミナも精神的にも弱ってきているのが分かったので、ああ、もう終わったな、というのはありました」
――左の連打だった。
「セコンドからも“いつでも仕留められるように”と言ってもらっていた。最後は手数を出して、しっかり当てていけたかなと」
――初回にいい左が当たったが、2回以降は接近戦になった。想定していたか。
「想定していて、そこで下がると相手に調子づかせるので、しっかり体でためて、サイドへ少しいなしながら、ということを意識しました」
――7回からは本来のボクシング。
「途中で手を前に出しながら、ちょっとジャンピングして距離を取って、違ったボクシングで変化をつけたら、段々ペースを取り戻していけた。いいパンチも当たって、マグラモに考えさせるボクシングができたかな」
―自己採点は。
「反省点はまだあるけど、世界王者になれたことで100点はもらいたいな、というのはある。実力的には半分も出せてないと思う」
――マグラモのパンチは重かったか。
「1回にボディーが強いなと感じた。上のパンチはそんなに感じなかった」
――相手が接近戦を仕掛けてきた。それに対し、さらに腰を落とす感じになった。狙いどおりか。
「腹を狙ってくる選手なので、腹を下へ見せたり、腹を相手にくっつけたりして試合を組み立てていった」
――中学からの目標を達成した。
「まずはホッとしている。さらに目標ができてくる。そこへ向けて、さらにレベルアップしていかないといけない」
――家族と話したか。
「ちょこっと話したが、よかったなと言ってもらった」
――どう思った。
「勝った瞬間、両親、家族の方を見たら、お母さんが泣いていて、お父さんと弟も喜んでいた。少しは親孝行、家族孝行ができたのかなと」
――コロナ禍で海外の選手を読んで初の世界戦だった。
「勝利という形でできたので凄くよかったと思うのと、世界が段々動いてくるきっかけになってくるのかなと思う」
――マグラモの圧力は予想以上だったのか。
「手はもっと出てくるかと思ったけど、そこまでフィジカルは強く感じなかった。でも、ボディー打ちはいいものを持っていると思った」
――フィジカル面でも自信がつく試合になったのでは。
「マグラモ選手も結構体重を戻してきているとの情報があったので、そこで打ち勝てたのは自信になる」
――試合の延期や実家のお店の閉店などを乗り越えた。
「たくさん試練はあったけど、世界王者になっていい結果で終われたのでホッとしている」
――今後の目標は。
「山中(慎介)さんと同じ日(11月6日)に世界王者になれたので、これからさらに防衛していくのと、統一戦も試合に入れてレベルアップしていきたい」
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