中谷潤人 苦難乗り越え戴冠、周囲の協力に感謝「その思いを拳にのせてリングに上がった」
プロボクシングWBO世界フライ級王座決定戦は6日、東京・後楽園ホールで行われ、同級3位の中谷潤人(22=M.T)が同級1位ジーメル・マグラモ(26=フィリピン)を8回2分10秒、KOで下し、プロ21連勝で念願の世界王座を獲得した。
勝利直後にリング上で1人マイクを持っての勝利者インタビューで中谷は、冒頭に「延期となってしまったがこのような舞台をつくっていただいたスタッフの方々、応援に駆けつけていただいた皆さま、テレビで見ていただいている皆様のおかげでチャンピオンになることができました。本当にありがとうございます」と周囲のサポート、応援にまず感謝した。
ダウン経験のないマグラモを倒し「1ラウンド目にいいパンチが入って、効かせることができて組み立てやすかった」と、出だしで手ごたえを得て、接近戦を仕掛ける相手にも冷静に対処し、8回に鮮やかなKO勝利を飾った。コロナ禍で4月、8月と2度の延期に見舞われたが「たくさんの方々から協力を頂いたのでその思いを拳にのせてリングに上がった」と、苦難を乗り越えての戴冠に感慨深げだった。
今後は「統一戦、防衛戦をクリアできるよう日々チャンピオンロードを歩んでいきたい。4回戦からイバラの道といわれてきて、こうやって世界チャンピオンになることができて、4回戦の選手にもいいお手本になれたかなと思う。これからも防衛、ビッグファイトをしていって目標にしてもらえるような選手になっていけるよう頑張りたい」とさらなる飛躍を誓った。
くしくも9年前のこの日は、自身の憧れという元WBC世界バンタム級王者の山中慎介氏(38)が世界王者を獲得した日で、山中氏もテレビ中継の解説者として王座獲得を見守った。中谷は山中氏に向かって「ありがとうございます。これから山中さんのように防衛できるように頑張っていきます」と力強く誓い、会場を沸かせて締めくくった。
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