中谷王座獲得 コロナ感染拡大後初の世界戦、ガイドラインより厳しく予防徹底し開催こぎつける
プロボクシングWBO世界フライ級王座決定戦は6日、東京・後楽園ホールで行われ、同級3位の中谷潤人(22=M.T)が同級1位ジーメル・マグラモ(26=フィリピン)を8回2分10秒、KOで下し、プロ21連勝で念願の世界王座を獲得した。
中谷の初世界戦は新型コロナウイルス感染拡大後、海外から選手を招いて国内で行われた最初の世界戦となった。本来なら3日に大阪市で開催予定だったWBA世界ライトフライ級タイトルマッチが最初になるはずだったが、試合前日のPCR検査でスーパー王者・京口紘人(ワタナベ)らの感染が判明して中止となっていた。
主催する帝拳プロモーションは京口の世界戦が中止になる以前から感染予防を徹底してきた。先月22日に来日したマグラモが滞在したホテルはワンフロアを貸し切り、食事はすべてルームサービス。練習用のジムも貸し切った。マグラモ陣営だけでなく、中谷サイドにもジムに専用練習時間の設定や出稽古禁止など細心の注意を促した。公開練習や予備検診、調印式などの公式行事は中止。取材はすべてリモート方式とした。試合2日前にPCR検査を受け、中谷陣営もホテルに宿泊。陰性が確認されてから前日計量を隔離された空間で実施するなど、米ラスベガスでの初防衛戦に成功したWBA&IBF世界バンタム級統一王者・井上尚弥(大橋)が試合を行った「バブル」に近い態勢を整えた。
また、チケットも一般販売はせず、中谷の後援会などに限定。観客数は後楽園ホールの上限を下回る400人とした。来日する対戦相手はもちろんのこと、日本人選手にもJBCが定めた興行のガイドラインより、さらに厳しい基準を求め、開催にこぎ着けた世界戦だった。
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