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岩佐亮佑、暫定王者返り咲き 憧れNYで奪取11回TKO

[ 2019年12月9日 05:30 ]

IBF世界スーパーバンタム級暫定王座決定戦   岩佐亮佑 ― マーロン・タバレス ( 2019年12月7日    米ニューヨーク・バークレイズセンター )

岩佐(左)のストレートがタパレスをとらえる(撮影・田中哲也通信員)
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 岩佐亮佑がタパレスを11回TKOで下し、王座返り咲きを果たした。一進一退の攻防を続けながら11回に左ストレート一発でタパレスを沈めた。日本人の海外での王座奪取は13人14例目、米国でのKO奪冠は39年ぶりの快挙。暫定王者ながら昨年8月に失ったベルトを取り戻した岩佐は、IBF・WBA統一王者ダニエル・ローマン(米国)との統一戦を目指す。

 ずっと憧れていた大舞台で、派手なKO劇。ベルトを取り戻した岩佐は、リング上で小林会長と抱き合って喜びを爆発させた。
 「このリングで倒して勝てたことは、ボクシング人生で一番うれしかった」

 11回、タパレスをロープ際に追い詰めた岩佐は、右ジャブを出した相手の体が左に傾いた瞬間を逃さず、強烈な左ストレートを放つ。ダウンしたタパレスは何とか立ち上がったが、足元のふらつきを確認したレフェリーは試合終了を宣告した。

 「自然と出たパンチ。唯一、あれは手応えがありました」。3回に奪ったダウンは左ボディーと同時に頭がぶつかったものだったが最後は冷静に相手の隙を突いた会心の一撃で勝利を決めてみせた。

 昨年8月のV2戦でドヘニー(アイルランド)に判定負けして王座陥落。「8割ぐらいはやめるつもり」だったが、後援者の「俺たちは十分にいい景色を見せてもらった。あとは自分の好きなようにやればいい」の言葉に現役続行を決意。「覚悟を持って」日々の練習に取り組んできた。

 過去3敗はいずれもサウスポー相手。タパレスも左構えだが、厳しいフィジカルトレで自信をつけたパワーとスタミナを後ろ盾に、被弾を覚悟で前に出続けて克服し、苦手意識を払しょくした。

 「小さなジムから世界へ」を合言葉に小林会長と二人三脚で歩んできた。次は正規王者との統一戦を見据える。「ローマンが標的です。まだ暫定なので統一して正規王者になりたい」。昨夏、一度は止まった時計の針が、再び動きだした。

 ◆岩佐 亮佑(いわさ・りょうすけ)1989年(平元)12月26日生まれ、千葉県柏市出身の29歳。中2でセレスジム入門。習志野高で高校3冠などアマ66戦60勝(40KO・RSC)6敗。08年8月プロデビュー。11年11月に日本バンタム級、13年12月に東洋太平洋同級王者を獲得。17年9月にIBF世界スーパーバンタム級王座獲得も18年8月のV2戦で敗れて陥落。身長1メートル72、リーチ1メートル81の左ボクサーファイター。

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