×

粉川拓也 王者ラクイネルに8回TKO負け プロ37戦目で初めてのKO負けに涙

[ 2019年8月23日 22:25 ]

<東洋太平洋フライ級タイトルマッチ>8回、強烈な左フックを浴びてダウンした粉川(レフェリー・杉山)
Photo By スポニチ

 ボクシングの東洋太平洋フライ級タイトルマッチ12回戦は23日、東京・後楽園ホールで行われ、同級4位の粉川拓也(34=角海老宝石)は王者ジャーアール・ラクイネル(22=フィリピン)に8回57秒TKO負けを喫し、王座獲得はならなかった。

 立ち上がりからラクイネルのプレッシャーに苦しんだ。それでも一瞬の隙を突いたワンツーで1回にダウンを奪う。だが、その後は22歳の若き王者に圧倒されて防戦一方。8回に強烈な左フックを浴びて倒れ、後頭部をマットに強打。レフェリーは即座に試合を止めた。

 担架に乗せられて退場、医務室でのメディカルチェック後に控え室に戻った粉川は気丈にも報道陣の取材に応じた。「最高の環境でボクシングをさせてもらったのに…」と号泣。「良い環境でみんなが僕のために頑張ってくれて感謝しかない。角海老宝石ジムに来て本当に良かった。どうしても恩返ししたかったけど…」と言葉を詰まらせた。

 2010年10月に東洋太平洋スーパーフライ級王座を獲得したが、世界挑戦のために、防衛することなく返上。その後に日本フライ級王座を2度獲得して計7度防衛したものの、17年6月に陥落。一時は引退も考えたが、昨年12月に心機一転、角海老宝石ジムに移籍し、2戦目でのタイトル挑戦のチャンスを得た。王座獲得が一番の恩返しだったが、プロ37戦目で初めてのKO負けという最悪の結末に34歳のベテランは涙が止まらなかった。

続きを表示

2019年8月23日のニュース