井岡 国内ライセンス再取得 大きい日本ボクシング界、ファンへのメリット

[ 2019年4月8日 09:30 ]

JBCのライセンスを再取得、会見する井岡(撮影・篠原岳夫)
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 少し前の話になるが、ボクシングの元3階級制覇王者・井岡一翔(30)が都内で記者会見し、Reason大貴(埼玉県越谷市)の所属選手として国内ライセンスを再取得することを発表した。現役復帰後は海外を拠点に活動してきた井岡だが、これで日本国内でも試合を行うことが可能になった。

 と言ってもコアなボクシングファン以外には、なぜ海外で試合ができて、国内でできないのか、分かりにくいかもしれないので、少し説明すると、日本のボクシングは「クラブ制度」と呼ばれる独自のシステムにより、ボクサーがライセンスを取得するためには、ジムを通じて日本ボクシングコミッション(JBC)に申請しなくてはならない。つまりジムに所属していなければ、ライセンスを取得できないので国内での試合はできないことになる。

 もっとも海外のボクサーも日本国内で試合はできるので、例外はある。ただ、1度引退し、復帰後に国内でライセンスを再取得していない井岡はJBC的には“引退選手”扱いのまま。管轄外とはいえ、海外で試合をすることはJBCとしても「決して望ましい状態ではなかった」という。井岡の決断の裏には、様々な“大人の事情”も見え隠れするが、井岡自身はもちろん、日本ボクシング界、そしてファンにとってのメリットは大きい。

 井岡は昨年大みそかにマカオでWBO世界スーパーフライ級王座決定戦に臨み、ドニー・ニエテス(36=フィリピン)に判定負け。日本人男子初の4階級制覇を実現することができなかったが、そのニエテスが王座を返上。WBO同級2位にランクされている井岡は6月に同1位アストン・パリクテ(28=フィリピン)と王座決定を行うことが濃厚だ。開催地は国内で交渉が進められており、4階級制覇をかけた大一番が生観戦できるとしたら、ファンにとっては間違いなく朗報だ。

 野球やサッカーをはじめ、他のスポーツでも海外で活躍することで高い評価や人気を得ている選手は少なくない。日本人ボクサーが海外でチャレンジすることは素晴らしいことだし、今後も続いていくだろう。ただ、凱旋の舞台がなければ、国内のボクシング界全体が盛り上がることはないという現実もある。現役では数少ない知名度の高いボクサーだけに、井岡が抱えていた“問題”がクリアされたことは歓迎すべきことなのである。

 井岡自身が望むのであれば、海外でさらにビッグなチャレンジをすればいい。最強決定トーナメント「ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ」(WBSS)に参戦中のWBA世界バンタム級王者・井上尚弥(25=大橋)は5月18日に英グラスゴーで準決勝に臨む。昨年7月の日本人として37年ぶりに王座を獲得したWBO世界スーパーフェザー級王者・伊藤雅雪(28=伴流)は国内での初防衛戦をクリアし、次は米国でのV2戦を控えている。井岡には彼らとともに日本ボクシング界をリードする存在になってほしいと願っている。(大内 辰祐)

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