ＩＯＣ理事会　ボクシング２０年東京五輪実施可否先送り「懸念残る」

ＩＯＣの理事会であいさつするバッハ会長
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　国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）は３０日に都内で理事会を開き、ボクシングの２０年東京五輪での実施可否についての結論を先送りした。組織運営に問題を抱える統括団体、国際ボクシング協会（ＡＩＢＡ）を調査した上で、来年６月のＩＯＣ総会で最終判断する。

　五輪除外の可能性を再三警告されてきたＡＩＢＡはＩＯＣに改善策を報告。しかし、１１月のＡＩＢＡ総会で、米財務省から麻薬売買に関わる犯罪者と指摘されるラヒモフ会長代行（ウズベキスタン）が新会長に選出されたこともあり、理事会は「財務、ガバナンス（組織統治）、倫理面で懸念が残る」（マコネル競技部長）と“ダメ出し”した。ＩＯＣが立ち上げた調査委員会の調査が終わるまで東京五輪に向けた予選やチケット販売、テスト大会などの準備は全て凍結。一方で、マコネル競技部長は「全ては選手を保護するため。東京五輪でボクシング競技を実施することが明確な目標」と五輪存続を前提とする考えを示した。ＡＩＢＡを除外した場合の五輪運営の方式などは「仮説には答えられない」と調査優先を強調した。

　ＩＯＣ理事会は調査結果を受けて総会の３０日前までには意思決定する見込み。だが、来年５月としても五輪開幕の１年２カ月前で、選手の準備などに支障が出ることは必至だ。

　《連盟の内田会長「信じて進める」》開催準備凍結の決定で、関係者には波紋や動揺が広がった。組織委の高谷正哲スポークスパーソンは「考えられる影響に対して、ＩＯＣと連携して対処していきたい」と述べた。入場券の一般販売は来春開始を予定し、テスト大会の日程や詳細な競技日程は年明けの公表を目指していたが、ボクシングに関してはずれこむ公算が大きくなった。また、日本ボクシング連盟の内田貞信会長は「６月に結論が出るのでは遅過ぎる」と案じ「東京五輪で競技があると信じて（代表選考などの）計画を進めていくしかない」と語った。