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成松大介 準決勝で敗れ銅メダル 準々決勝で負ったケガ治療の医師に感謝「試合をすることができた」

[ 2018年8月31日 21:54 ]

 男子ライトウエルター級準決勝で、大差の判定で敗れた成松大介=ジャカルタ(共同)
Photo By 共同

 ジャカルタ・アジア大会のボクシング男子64キロ級準決勝が31日にあり、成松大介(28=自衛隊)は、ルクボルヨン・ホルダロフ(21=ウズベキスタン)に判定0―5で敗れ、銅メダルが確定した。3位決定戦がないため。

 試合を終え、取材も一通り終わった後、成松が「報道陣のみなさんに話したいことがある」と言ってプレスセンターに足を運んできた。口にしたのは、周囲への思いだった。

 「このケガを治してくれた(連盟、日本選手団の)先生に感謝をしたいです。先生方ががんばって治してくれたおかげで、試合をすることができました。地元の応援も来てくれて感謝をしています。金メダルで恩返しをしたかったけど。これだけは伝えたくて」

 準々決勝でバッティングにより、右頭部を負傷。出血がひどく、準決勝の出場が危ぶまれた。ケガをした日に医療用ホチキスで3カ所処置。この日、再び縫合し、ようやく試合出場の許可が出た。患部は血の塊ができたままの痛々しい状態で、リングに上がった。

 いつ、どんな拍子で出血をするのか分からないため「そんなに前に出られなかった」とアウトボクシングに徹した。昨年の世界選手権2位の“アジア最強の男”とのサウスポー対決。距離を取ってスウェーで何度もパンチをかわした。逆に相手の左に合わして右のカウンターが何度か入った。最終3ラウンド終了のゴングが鳴った時は、右手でガッツポーズを作った。長いリーチからスピードのあるパンチを繰り出す相手に対し、高いディフェンス能力は示した。しかし、期待した結果にはならなかった。

 「金メダルが目標だったので、目標を達成できていない部分では決して満足ではないですけど、メダルを取ると取らないでは天と地の差。その部分では良かったと思う」

 自身への助成金を連盟が流用したことが発端となり、山根前会長の辞任など大騒動に発展した。周囲の喧騒を跳ね返しての表彰台。高い実力を証明した。

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2018年8月31日のニュース