【浜田剛史の目】山中慎介　油断から苦戦も…経験で立て直す

＜ＷＢＣバンタム級タイトルマッチ＞３回、ダウンする山中
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プロボクシングＷＢＣ世界バンタム級タイトルマッチ１２回戦 王者・山中慎介　３―０判定同級３位リボリオ・ソリス

（3月4日 島津アリーナ京都）
　山中は２回にダウンを奪って、大きな油断が生まれた。ソリスがどう来るか警戒していたところで、得意の左ではなく、右フックで倒した。こんなものかと甘く見たところがあったと思う。３回はいいところを見せようと前掛かりになったところ、逆に開き直ったソリスの右カウンターを顎に浴びて最初のダウンを喫した。焦って取り返しにいくと、打ち終わりに再び右を食らって２度目のダウン。苦しい内容となった。

　前戦の相手モレノは難敵で苦戦したが、それは予想されたもの。今回の苦戦は油断からのもので、立て直すのは大変だ。だが、４回以降、左を警戒して堅固にガードし顔に当てさせてくれない相手に対し、まず体に当ててから、タイミングを合わせて顔面に打ち込む本来のスタイルで戦えた。８回にはダウンを奪い返した。その対応力はこれまでの経験から来るものだろう。２度のダウンは反省材料だが、しっかり立て直したことは評価できる。（元ＷＢＣ世界スーパーライト級王者）