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長谷川 1年ぶり再起戦勝った 左肘、右足首痛み乗り越え

[ 2015年5月10日 05:30 ]

3回、ガルシア(左)に左をヒットさせる長谷川

フェザー級ノンタイトル10回戦 ○元世界2階級王者・長谷川穂積 判定 ●WBCスーパーバンタム級9位・オラシオ・ガルシア

(5月9日 神戸市立中央体育館)
 元世界2階級王者の長谷川穂積(34=真正)は9日、神戸市立中央体育館でフェザー級ノンタイトル10回戦でオラシオ・ガルシア(24=メキシコ)に3―0の判定で勝った。昨年4月に3階級制覇に失敗して以来、約1年ぶりの再起戦で無敗を誇った若い強打者を迎撃し、健在ぶりを示した。

 終了のゴングが響き、会場は歓声と拍手に包まれた。その中で長谷川が笑みを浮かべた。「勝てると思ってなかった。めっちゃ怖かった」。山下会長と熱い抱擁。控室では「最高の状態でリングに上がれたわけじゃなかった。ケガで負けても実力。でも勝ったんで。自信になる」と13年8月12日以来、635日ぶりとなる勝利に息をついた。

 昨年11月から左肘に慢性的な痛み。試合12日前には右足首も痛めた。「痛み止めの注射で左肘は大丈夫。足首はワンツーを打って(相手の足に)引っかかったら終わりやなと思ってた」。右足首は捻挫と公表も、実際はじん帯を一部断裂。この日の準備運動で「痛い。いつ(じん帯が)プチッといってもおかしくない」と危機感を抱いていた。

 その右足をガルシアに何度も踏まれ、4回には相手に減点1。それでも集中力を保った。細かく突く右で相手ジャブをつぶし、左でボディー、フック、ストレートを叩き込む。足も使い、ペースを握った。打って打たせない全盛期のスタイルが復活した。後半は足首の状態を考慮して足を止め、被弾は増えたが、危ないパンチは食わない。最終10回。穂積コールの合唱に応えてリング中央で連打も叩き込んだ。ジャッジ3人が9、5、4点差をつける完勝だった。

 昨年4月にIBF世界スーパーバンタム級王者キコ・マルチネス(スペイン)に3度ダウンを奪われ、7回TKO負け。引退濃厚と思われた。心配する家族らの反対を押し切り、今年1月に現役続行を表明。29戦無敗の強打者ガルシアを下して健在を証明し「前の試合でダメージを心配された。でもパンチをもらっても気持ちが入っていれば効かない。それを見てもらえた」と胸を張った。

 ただ、今後については明言を避けた。「(妻・泰子さんは現役続行に対し)反対派ですから。家族が何と言うか分からないけど参考にします。今回は僕自身のためにやらせてもらった」。しばらく休んで進路を考える。

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2015年5月10日のニュース