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河野ドロー初防衛 コールの瞬間ホッ「引退懸けて戦った」

[ 2015年1月1日 05:30 ]

ラウンドガールに初防衛を祝福される河野

WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦 ○王者・河野公平 引き分け 同級5位・ノルベルト・ヒメネス●

(12月31日 大田区総合体育館)
 静寂に包まれたリング上、判定の結果が告げられると王者は安どの表情を浮かべた。採点は1人が5点差をつけて河野を支持したが、三者三様の引き分け。王座を失った13年5月の初防衛戦の雪辱を果たし「勝ちと負けでは天と地獄。引退を懸けて戦った」とベルトの重みをかみしめた。

 ダンサーの異名を取る相手の幻惑ステップに誘い込まれ、2回にはアッパーを食らい右目上をカット。クリンチを多用し防御を固める相手に決定打を浴びせることはできなかった。だが、手数は緩めなかった。6回には相手がローブローの反則で減点1。7回に反撃の右を打ち込み「効いていた」と手応えも残した。

 世界王者になり、会食する機会も増えた。東京・浅草の「今半」で、すき焼きを口にした時は「世の中にこんなうまいもんあるのか」と驚いたが、肉の枚数を制限。誘惑に負けずストイックに勝負の時を待った。

 次戦は1位のサンチェス(メキシコ)や海外でしか試合ができない2位の亀田興毅も候補に挙がっている。「どこでも行こうという気持ちでいる」。野性味あふれる男は、さらなる強豪を相手にも拳を交える構えだ。6年(昭61)12月1日、東京都大田区生まれの28歳。芝商高卒。06年7月、プロデビュー。07年12月、全日本新人王獲得。13年4月、日本ライトフライ級王座獲得。初防衛戦で井上尚弥に判定で敗れて陥落。1メートル66、右ボクサーファイター。

 ◆河野 公平(こうの・こうへい)1980年(昭55)11月23日、東京都目黒区生まれの34歳。東亜学園高では陸上部。00年11月にデビュー。07年2月に日本スーパーフライ級王座、同年10月に東洋太平洋王座を獲得。12年大みそかに3度目の世界挑戦で、WBA王座を獲得し、13年5月の初防衛戦で陥落。14年3月に同王座再奪取。右ファイター。1メートル66。

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