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天笠 大健闘も涙…最強王者からダウン奪うも11回終了棄権

[ 2015年1月1日 05:30 ]

8R、パンチを食らう天笠

WBA・WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦 ○WBA・WBO統一王者・リゴンドー 11回終了TKO WBA10位・WBO6位・天笠尚●

(12月31日 ボディメーカーコロシアム)
 勝者と敗者が同居した異例のリングインタビュー。「私にとって天笠は素晴らしいチャンピオンだ」と横に並んだ統一王者リゴンドーに称えられても天笠が喜べるはずはなかった。10回あたりから腫れが目立った左頬だけでなく次第に顔全体が膨らみ、ダメージの大きさを示していた。

 「僕は敗者なんで何も言うことはありません」

 それでも見せ場はつくった。7回に2度のダウンを奪った。天笠は思わずコーナーポストに駆け登り、場内は総立ち。まるでKO勝ちのような騒ぎ。しかし、10回からエンジン全開となった統一王者の左ストレートでダウンを奪い返された。11回は大振りのフックも被弾。その回終了で棄権した。

 いったん控室に戻ったものの「左頬骨折の疑い」で病院へ向かった。山上会長は「最後は足にきて、パンチに切れがなかった。棄権は仕方がない。でも本人は試合を“やめる”と言わなかった。本当に根性がある」と目を潤ませた。周囲の反対を押し切り「リゴンドーのようなビッグネームと戦うチャンスを手に入れるのは世界王者になるより難しい。こんな光栄なことはない」と挑戦を決意。「99%勝てないと思っているけれど1%にかけたい」。奇跡を起こせなかったが、闘志は見せた。

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