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高山 悲願4団体制覇!92連発TKO「打ち終わり打つ」奏功

[ 2015年1月1日 05:30 ]

4団体の統一王者となった高山

IBF・WBO世界ミニマム級王座決定戦12回戦 ○IBF3位・WBO1位・高山勝成 7回TKO IBF6位・WBO2位・大平剛●

(12月31日 ボディメーカーコロシアム)
 反撃の余地を与えないほど、機関銃のようにパンチを浴びせた。7回、高山は大平にロープを背負わせたまま猛ラッシュ。追い詰めてから2分24秒にレフェリーが試合を止めるまで40秒近く拳を放ち続け、その数は92を数えた。パンチの嵐でTKO勝ち。ミニマム級では世界初となる4団体制覇を果たした。

 反撃の余地を与えないほど、機関銃のようにパンチを浴びせた。7回、高山は大平にロ 「4団体制覇をするために、11年間ミニマムウエートにとどまってきた。凄くうれしい」

 ジャッジ3人とも、4回までのポイントは世界初挑戦の大平の方が上だった。5回から作戦変更。「相手が手を出した後に打つ」とサウスポーの打ち終わりを狙った。これでパンチが決まり、一気に形勢を逆転した。

 転んでははい上がって、ここまでやってきた。4団体制覇を狙った昨年8月のIBF・WBO王座統一戦に敗れた後も同じだ。今年度から通う菊華高(愛知)で高校ライフを送るうちに、闘争心が戻ってきたという。ボクシング部の生徒に指導したことは、その典型例。人に教えれば、気付くことも多い。「膝の使い方、フットワークなど基本から見直せた。教えているうちに引退は早いという気持ちになった」。9月の文化祭では飲食の出店で接客を務めた。誰彼となく掛けられた「次も頑張って」という声も力になった。そして10月、現役続行を表明した。

 中学生の頃、ジムの先輩からもらったビデオが、4団体制覇を目指すきっかけになった。IBFバンタム級王座を16度も防衛したオルランド・カニザレス(米国)が巻いていたベルトに憧れた。

 「打って良し、離れて良しのカニザレスを見て、IBFに憧れました」

 日本ではWBA、WBC以外は認められていなかったため、09年に日本ボクシングコミッションに引退届を出して海を渡った。批判の声は少なからずあった。そんな日本ボクシング界の“アウトロー”は、腕だけを頼りに道なき道を歩き、悲願を達成した。今後は「学んでいるうちに新たな目標が浮かぶかもしれない」と羽休め。世界王者から再び、高校生に戻る。 

 ◆高山 勝成(たかやま・かつなり)1983年(昭58)5月12日、大阪市出身の31歳。00年10月デビュー。05年4月にWBCミニマム級王者のブストス(メキシコ)に判定勝ちし初戴冠。王座陥落後の06年11月にWBAミニマム級暫定王座決定戦で1位のメロ(パナマ)に9回負傷判定勝ちで2団体制覇。その後、統一戦で敗れ陥落。09年11月にJBCへ引退届を提出して海外を拠点に活動。13年3月にIBFミニマム級王者のロドリゲス(メキシコ)に判定勝ちし、日本初の3団体制覇。同7月にJBCに復帰し仲里ジムに所属。1メートル58、右ボクサー。

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