粟生リングの「暗殺者」になる 完璧な“仕事”約束
プロボクシング ダブル世界戦
(11月6日 東京・代々木第2体育館)
粟生が“暗殺者”となる。プロボクシングのダブル世界戦は6日、東京・代々木第2体育館で行われる。2度目の防衛戦に臨むWBC世界スーパーフェザー級王者の粟生隆寛(27=帝拳)はテーマに掲げた「攻防一体」のボクシングで完勝して、憧れの元3階級制覇王者マルコ・アントニオ・バレラ(37=メキシコ)の異名「ベビーフェース・アサシン(童顔の暗殺者)」を襲名する。5日に都内で行われた前日計量は粟生がリミットの58・9キロ、挑戦者で同級8位のデビス・ボスキエロ(30=イタリア)は58・7キロでパスした。
計量後にスポーツドリンクを流し込み一気に回復した粟生は、親交の深い元3階級制覇王者への憧れを口にした。マルコ・アントニオ・バレラは「ベビーフェース・アサシン」の異名を取ったが、同じく童顔の粟生はそのニックネームを継ぎたいと考えている。「そうなれるように、受け継いでも恥ずかしくない、(異名に)ふさわしい試合をしたい」と“後継者”になることを誓った。
バレラとは、チーフトレーナーの田中繊大氏を介して出会った。粟生は過去に2度メキシコに渡ってバレラのスパーリングパートナーを務め、09年のWBC世界フェザー級の初防衛戦の際には来日したバレラがリングサイドで声援を送ってくれるなど、親交を深めてきた。バレラからもらったガウンは大切に保管しており、親しいだけでなく憧れの存在でもある。
この日、挑戦者と笑顔で向き合ったが目は笑っていなかった。「おととい(予備検診で)俺が目を合わせなくて、緊張していると言われた。覚えとけと思ってずっと見ていた」。不気味なほどに冷静な王者がリング上で暗殺者と化し、ボスキエロを抹殺する。
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