【お別れの言葉全文】北大路欣也「背中を押してくれました」宮本武蔵演じ長嶋さんから届いた手紙に感謝

[ 2025年11月21日 10:57 ]

<ミスタージャイアンツ長嶋茂雄お別れの会>お別れの言葉を述べる北大路欣也(撮影・光山 貴大)
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 6月3日に89歳で死去した巨人長嶋茂雄終身名誉監督のお別れの会「ミスタージャイアンツ 長嶋茂雄 お別れの会」が21日、東京ドームで開催された。長嶋さんと古くから親交のあった俳優・北大路欣也(82)が「お別れの言葉」を述べた。

 2人は古くから交流があり、2014年に亡くなった高倉健さん(享年83)と3人で毎年正月にお忍びで、千葉県の成田山新勝寺にお参りしていた。2007年に開かれた北大路の紫綬褒章を祝う会に長嶋さんがサプライズで駆けつけたこともある。

 以下、北大路のお別れの言葉全文。

 長嶋茂雄さんとの素晴らしい出会いの中で、多くの思い出を作ってくださいました。野球ファンの一人として幸せです。私にとって忘れることのできないのは、12時間ドラマ宮本武蔵に挑戦をさせていただいた時のことです。放映の後に、その3日後に長嶋さんからお手紙が届きました。今ここにあります。読ませてください。

 「さて、突然このような手紙をお届けして驚かれたと思いますが、新春2日、貴兄の宮本武蔵を拝見し、懐かしさとともに大いに感動して、あまりに筆を取った次第です。本年の宮本武蔵には心から感銘しました。まさに武蔵を演じては北大路さんを持って白眉とするという思いでした。小生も学生時代から武蔵には大いに興味を抱き、野球の技を磨く上で参考になればという思いもあって五輪書を愛読してきました。武蔵の生き方について自分なりの考えも抱いておりますが、今回のドラマで貴兄が演じられた武蔵は、これぞ素顔の武蔵とでも言うべきもので、純粋な武蔵を演じきられている点で格別に感慨の深いものでした。何よりも懐が深く、格段の集中力で武蔵を演じ切った技が、人間武蔵をくっきりと浮き彫りにしておりました。随所に武蔵は俺なんだという気概が画面からにじみ出てきて、最後までテレビの前から離れることができなかった次第です。心の糧になるようなドラマを拝見し、感動を抑えきれず筆をとってしまいました。ご多幸を祈念しております。1990年1月6日長嶋茂雄」

 いや、本当に驚きました。すぐにスタッフの皆さんに報告をして、この喜びを分かち合いました。わたくしはこのお手紙を受け取った時、大きく心を揺さぶられました。その後も多くの作品と向き合いますが、いつもこのお手紙は私の背中を静かに押してくれました。いや、今も押してくれています。

 今日、こうしてこの場に立たせていただけたのは、長嶋さんとの心の架け橋となってくださった三奈さんの優しい思いやりのおかげです。

 そして、本年2月20日のお誕生日に頂いたお手紙があります。そこには「小生、本年で89歳になりました。色々体験してきましたが、一つだけしっかりと体に染み込んでいるものは野球魂でしょうか。誕生してから89年目。本年は野球年ということになります。夢中で取り組んできた野球人生で野球年を迎えられたこと、何か誇らしい気持ちになりました」とあります。

 私には強く響きました。89、役者人生、役者魂。光をもらったような気がします。私もその役者魂に手が届くまで懸命に努めます。いつも温かく接してくださいました。そして、私たち夫婦をも励ましてくださいました。長嶋さん、私たちの長嶋さんへの感謝の思いは、永遠です。ありがとうございました。

 午前10時30分開始となった関係者の部には、野球界、政界、経済界、メディア界、スポーツ界、交友関係・芸能界等から著名人が参会。午後3時から、ファンらが参列できる一般の部も設けられている。

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