阪神【球児改革(中)】キメ細かい故障へのリスクマネジメント 芝生の長さ“8ミリ”のこだわり

[ 2025年9月9日 05:15 ]

バイトするならエントリー宜野座スタジアム(宜野座村野球場)の芝

 【球児改革】多くの故障者を出さなかったことが独走Vにつながった大きな要因の一つだろう。主力選手に長期離脱がなくほぼ“無傷”で歓喜ゴールテープを切った。その裏にあったのは藤川監督のキメ細かい故障に対するリスクマネジメント。その証言者は意外な人物だ。本拠地の甲子園球場だけでなくキャンプ地のグラウンド整備なども担う阪神園芸の金沢健児・甲子園施設部長(58)は昨年11月の秋季高知キャンプのある日を回想する。

 「安芸で前の日に雨が降ってグラウンドの様子を監督が見に来て。選手のコンディションのことを凄く気にされていて、その時に“グラウンドのことはお願いしますね”と」

 年が明け、場所を沖縄に移した今年の春季キャンプの初日に金沢氏は再び指揮官に呼び止められ提案を受けている。「芝をちょっと短くできないですかね?」。宜野座村野球場のメイングラウンドの外野芝生は約23ミリあり、甲子園球場の約15ミリと比べて少し長くなっている。

 その差は1センチにも満たないが、藤川監督は甲子園球場の芝生に慣れた選手たちの故障を危惧。グラウンドの土、芝…。その道のプロである金沢氏も確かにうなずける部分があった。「芝が長いと足を取られたりする。ましてや2月の沖縄は夜露もあって滑りやすくなったりね。凄く考えているんだと感じましたね」。

 キャンプ初日となった2月1日の練習後、金沢氏の号令の下で阪神園芸のスタッフは宜野座村野球場の芝生を甲子園球場と同じ長さに刈りそろえた。他にも指揮官は、足腰に負担がかかりやすい人工芝の宜野座ドームでのウオーミングアップの頻度に気を配り、臨機応変に選手の調整メニューも変えている。

 シーズン中も選手個々の状態やチーム状況などを見極めて救援陣に積極的休養を与えるなどコンディショニングに注力。監督が選手のことを語る際、それが正義と言わんばかりに「健康」というフレーズを繰り返してきたことも腹落ちする。

 2位のチームを引き離し始めた7月中旬。金沢氏は試合前練習のためグラウンドに出てくる近本、中野、森下…と主力選手の背中を見ながら言った。「たまたまケガ人が出てないわけじゃない。監督は最初からマネジメント、危機管理をされていたよ」。数字にして約8ミリ。そのこだわりが“健康体”の最強チームをつくり上げた。(特別取材班)

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