「あの時の160キロはもしや…」山梨学院の二刀流・菰田にあった甲子園で152キロの前兆

[ 2025年3月24日 19:49 ]

第97回選抜高校野球大会第7日 2回戦   山梨学院 5―11 西日本短大付 ( 2025年3月24日    甲子園 )

<山梨学院・西日本短大付> 力投する山梨学院・菰田(撮影・大森 寛明)
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 23年の選抜優勝校・山梨学院(山梨)は、西日本短大付(福岡)に敗れて3年連続の8強入りはならなかった。5回から救援した1メートル94の二刀流右腕・菰田は大会史上で2年生最速タイとなる152キロをマークするなど3回をパーフェクトに抑えた。

 「憧れの場所で緊張したけど、目標だった150キロが出て、気持ちが上がって楽しく投げられた」

 4点ビハインドで、もう1点も失えない8回。菰田はまさかの降板で、一塁の守備に戻った。吉田洸二監督は試合後、「絶対に3イニングしか使わないと決めていた。未来のある選手なので2年生でピークを迎えることのないように起用している」と明かした。

 菰田は中学3年時に右肘を剥離骨折した影響で本格的な投球開始は昨夏と出遅れていた。そして、まだまだ発展途上。この日、3年連続の8強入りを達成すれば22~24年の大阪桐蔭以来で、関東のチームでは史上初めてだった。それでも指揮官は投げさせなかった。今大会で菰田の背番号を3としたことも、精神面の負担を軽減するためだった。

 「僕自身、甲子園に出られてるだけで奇跡。それ以上望まない。もう年齢も年齢なのであと何年間かしか監督をやらないと思う。その後にね(菰田が)老後の楽しみになるように。プロ野球での成果を見ながらご飯が食べられるように大事に育てたいと。この子に賭けたい」

 山梨学院は23年選抜で県勢初の甲子園初優勝を果たし、全国から逸材集う東京六大学野球リーグにも選手を送り出している。吉田監督は清峰(長崎)、山梨学院の2校で甲子園優勝を経験。山梨学院で残す偉業は夏の甲子園優勝、そして高卒ドラ1を育てること。菰田はその2つをかなえるだけのポテンシャルがある。

 菰田は山梨学院入部当時、108キロだった。故障明けで投げられないこともあり、エアロバイクで3カ月走らせ、体重は98キロまで落ち、投手らしいフォルムになった。練習後は吉田健人部長と共に週4日、トレーニングジムに通って筋肉質の体をつくり上げた。長身投手にありがちな不器用な動きをクセづかせないため、野手としてのトレーニングもフルでこなし、キレのある動きができるようになった。全ての集大成が甲子園での152キロだった。

 記者はYouTubeにアップロードする動画のカメラマンも兼任しており、2月に菰田を1日密着。朝一番のランニングも、昼食も、夕食後に寮でリラックスする時間もともにした。

 実は菰田がブルペン投球を行っていた時、部のスピードガンを拝借して計ってみた。すると「160キロ」の表示。誤作動と思い「なーんてね」と独り言を言い、スピードガンを置いた。甲子園で150キロを連発した怪物候補の姿を目の当たりにして「あの時の160キロはもしや…」と思い返した。(アマチュア野球担当・柳内 遼平)

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