【青柳晃洋 単独インタビュー(下)】今は何とか結果を残して首脳陣に良いものを見せたい一心

[ 2025年3月14日 05:15 ]

ハーパーらと話す青柳(右から2人目)(共同)
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(上)から続く

 ――グラウンド外の環境は。
 「ホテルなので困ることはないですね。やっぱり言葉ですね。しゃべれたらもっと楽しいんだろうなとか。スアレスっていう左のエースがちょこちょこ絡んできてくれたりするんで。そういう時にコミュニケーションを取れたらと思いますね」

 ――ホームシックにはなっていない?
 「プロ野球でも1カ月ぐらい家を離れるのは当たり前なので(笑い)。まだ大丈夫です。家族とは電話はしていますよ」

 ――マイナー降格の不安は。
 「いつ言われてもおかしくないので。そこはもう渡米前から覚悟は決まっています。今は何とか結果を残して首脳陣に良いものを見せたい一心。先週ぐらいから本当に人が減っていっている。日々勝負しながらって感じです」

 ――ボールへの対応は。
 「最初はうまくいかなかったです。初登板はひどかったですし。その中で2種類あるロジンを使い分けて工夫したりしながらやっていますね」

 ――変化球は。
 「カットボールの握り方、投げ方を変えました。渡米前、コーチに“良くしたいものはあるか”と聞かれてカットを良くしたいと伝えて。映像もコーチに送って、渡米してからは握りや感覚を教えてもらって今は練習中ですね」

 ――前田健太投手とも交流があると。
 「今までつながりは全くなかったんですけど、僕の通訳とスカウトと食事に行った際、店に入る時に前田さんが出てこられて。“初めまして”ってなって。今度ご飯行こうよ、と誘っていただいて2度食事に行かせていただきました。投球やボールの扱いとかいろんな助言ももらって凄く感謝しています。真っすぐの高めの使い方とかも聞きましたね」

 ――高めの使い方。
 「JTに“お前の腕のアングルならもっと高めを使えば打てない”と言われて。ハーパーも“ジャッジや大谷みたいに高めも叩けるバッターもいるけどそれは数えるぐらいだ”と。じゃあその“高め”はどこなの?って話をして。前田さんにどこを狙って投げていますかとか質問して」

 ――日米のキャンプの違いは。
 「時間も、やり方も全然違います。ウオーミングアップが5分なんです。午前9時45分にアップ開始ですけど、みんな午前7時ぐらいからいる。トレーニングをしたりストレッチをしたり。野手は特に凄く。朝、来たらまずウエートトレーニング。ハーパーは守備練習をして、その後に打撃練習をして全体アップに入ってとか。凄い選手ほど朝からちゃんとやっています。メジャーのキャンプは短いって言いますけど全体練習が短いだけです」

 ――当面の目標は開幕メジャーか。
 「中継ぎの1枠あるかないかぐらいのところを10人ぐらいで争っているのでかなりシビアです。開幕メジャーがベストですけどマイナーで迎えても、シーズン中にメジャーに呼んでもらう準備をずっとする感じです」

 ――充実感が伝わってくる。
 「刺激、新しいことが多いので楽しいですね。こっちの野球に触れたいと思って来たんで充実しています。ただ、メジャーに上がれないと来た意味もないので食らいつきます」

 <取材後記>

 予定の取材開始時間が近づいていた時、青柳からLINEが届いた。「今、前田さんと食事してるんでもう少しだけお待ちください!」。後から聞けば「前田さん」とはタイガースの前田健太のことだった。今まで全く接点のなかった球界の先輩から貴重な助言をもらう機会に恵まれたのも、青柳が過酷な挑戦の道を選んだからだ。

 インタビュー中、息をするように次々とフィリーズのスター選手の名前が出てきた。ハーパー、リアルミュートに助言をもらい、ウィーラー、ノラ、スアレスの3本柱とも会話できる仲。華麗なる交遊録からは、持ち前の“コミュ力”はもちろん、選手の格を気にせず貪欲に進化を図る姿勢を感じた。

 ポスティングシステムを使って渡米を決意した時よりも、さらにメジャーのマウンドに立つ青柳が見たくなった。(遠藤 礼)

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