“茶目っ気たっぷりなイチローさん”が球宴でのランニング本塁打後に帰宅しようとした理由

[ 2025年1月23日 02:35 ]

イチロー氏 アジア出身初の米野球殿堂入り

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 オールスター戦でMVPに輝いた07年7月10日。ランニング本塁打を含む3打数3安打で期待に応えたイチローさんは5回裏の守備から退き、私服に着替えていた。

 そこに大リーグ機構(MLB)のフィリス・マージ、ケイティ・フィーニーという女性の重鎮2人がドスの効いた声で迫るのを、私は見た。「あんた、まさか帰ろうとしているんじゃないだろうね」。普段は温厚な彼女たちの迫力満点の姿にさすがのイチローさんも肩をすくめていた。

 MLBのオールスター戦では、出番が終われば“フリー”。予約を入れていたのは料理とワインが絶品のイタリアンレストランで試合中に選手が帰るのは普通のことだったが、母親に叱られている子供のようなイチローさんの姿に思わず笑ってしまった。

 あれから17年半。イチローさんは当時のことを米国野球殿堂入りのオンライン会見で「友達もいて、早く予約していたレストランに行きたくて帰ろうとしていたんです、試合中に」と振り返った。

 結局、MLB幹部の要望には応えた。だが、内心では「誰かホームランかなんか打ってと思っていた」と、あくまでも気持ちはイタリアンレストランに向いていたという。

 「結果的に時間が経ってMVPを獲れたのは良かった。(グラウンドでの)MVPインタビューで私服を着ていたのはそういう理由です」。晴れの席でそんな裏話を披露する。51歳になっても、どんなに偉大になっても、変わらず茶目っ気たっぷりな姿が実にイチローさんらしかった。(MLB担当・笹田 幸嗣通信員)

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