ドジャース・大谷 メッツ・千賀撃ちで勝利に貢献 ミスター・オクトーバーだ驚異の勝負強さ発揮

[ 2024年10月15日 01:30 ]

ナ・リーグ優勝決定シリーズ第1戦   ドジャース9―0メッツ ( 2024年10月13日    ロサンゼルス )

<ドジャース・メッツ>2回、大谷は適時打を放ちガッツポーズ、投手は千賀(撮影・沢田 明徳)
Photo By スポニチ

 ナ・リーグの優勝決定シリーズ(7回戦制)が13日(日本時間14日)に開幕し、ドジャースの大谷翔平投手(30)は2安打1打点でメッツ相手の先勝に導いた。2回に千賀滉大投手(31)から右前適時打を放つなど、勝負強さを発揮。ポストシーズン(PS)では走者なしの場面では16打数無安打の一方で、走者を置いた場面では驚異の8打数6安打。「ミスター“クラッチ”オクトーバー」が世界一へ、けん引する。

 泥だらけのユニホーム姿で5万3503人の大歓声を一身に浴びた。中継局のヒーローインタビュー。大谷は、初のPSで驚異的な勝負強さを発揮する理由を問われ「たまたまじゃないかなと思う。チームとして得点圏で多くチャンスメークしてくれている。より集中できている」と照れ笑いを浮かべた。

 地区シリーズで対戦したパドレス・ダルビッシュに続く、千賀との今季初対決。初回は二ゴロに倒れたが、2―0の2回1死二塁では初球のカットボールを捉えて右前に運び貴重な追加点。制球に苦しむ千賀を降板に追い込んだ。交代した投手から試みた二盗は、7月22日以来の失敗となり連続盗塁成功は36でストップしたが、積極性を前面に出した。

 4回1死一塁では左腕ピーターソンのカーブを捉え、打球速度116・5マイル(約187キロ)の痛烈なライナーが右翼フェンス直撃。右翼手が処理にもたついた隙に、一塁走者エドマンが生還した。記録上は右翼手に失策がつき、打点はつかず単打となったが「たまたま甘い球が来てくれた。弾道が低かったが(外野手を)越えてくれて、トミー(エドマン)がしっかり走ってくれて点になり良かった」。PSは走者なしの場面で16打数0安打も、走者ありでは8打数6安打の打率・750。得点圏に限ると5打数4安打の打率・800と、驚異的な勝負強さを発揮している。

 デーブ・ロバーツ監督の信頼の采配に応えた。レギュラーシーズン162試合で10度しかなかった送りバントを、4回までに2度も指示。いずれも大谷が走者を還した。指揮官は「これがプレーオフの野球。レギュラーシーズンとは違う。走者を置いて翔平が打席に立つと、優位になる。明らかに得点圏ではさらに集中力が高まっている」。チャンスで大谷に回せ――。短期決戦などの勝負どころではスモールベースボールも交える「新ドジャース戦法」の核となる1番打者に、チーム全体が厚い信頼を寄せる。

 9安打9得点で零封勝ち発進。大谷は「一人一人が素晴らしい仕事をしている。良い点の取り方、ゲーム運びが素晴らしかった。僕はオフェンスしかやってないけど、そこに全力で集中していきたい」。得点源らしく、次のクラッチヒットを見据えた。(柳原 直之)

 ▽クラッチ(Clutch) 大リーグでは勝負強さや適時打の意味で用いられ、クラッチヒットとも言われる。チャンスに強い打者をクラッチヒッターと呼び、直訳では「つかまえる」「つかむ」という意味。

 ≪突破率は80%≫ドジャースはリーグ優勝決定Sは16度目の出場で第1戦○は6度目。過去5度のうち4度、ワールドシリーズに出場しており突破率は80%。7回戦制の同決定Sで、第1戦○だった過去191度のうち123度がシリーズを制しており確率は64%。現行の2―3―2試合の形式でホームで第1戦○だったチームは、99度のうち66度が勝ち抜き確率67%。

続きを表示

この記事のフォト

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

野球の2024年10月15日のニュース