メジャーに誕生した3組の日本人デュオ、その相乗効果やトレンド化するかにも注目

[ 2024年1月20日 08:00 ]

ドジャースの大谷翔平(左)と山本由伸
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 今永昇太のカブス入団が決まったことで今季、鈴木誠也が所属するシカゴの名門チームには2人の日本選手がそろうことになった。大谷翔平と山本由伸が共闘するドジャース、ダルビッシュ有と松井裕樹がチームメイトになったパドレスに続き、複数の日本選手が同時に所属するのは3球団目。これらの「日本人デュオ」はそれぞれのチームで呼び物となっていくのだろう。

 「大谷が(ドジャースと)契約した時、私たちは(山本の判断に)どのような影響を及ぼすか分からなかった。昔、(松井)ヒデキと一緒に仕事をしたことを覚えているから。ヒデキとイチローは、恐らく同じチームではプレーしないという認識だった。それが日本人選手のメンタリティのようなものだった」

 山本のドジャース入団会見の際、代理人を務めるワッサーマン社のジョエル・ウルフ氏はそう述べていた。実際には過去にもマリナーズにイチロー、城島健司、佐々木主浩がそろったり、レッドソックスでは上原浩治と田沢純一がともに世界一に貢献した例などもあったのだから、日本人のメンタリティと断定するのはおそらく適切ではない。

 とはいえ、日本選手が新たに渡米してくる際、「必ずしも同国人がいるチームが争奪戦で優位とは限らない」という見方がされることもあったのは事実ではある。メジャーで再出発するにあたり、他の日本選手がいない場所で新しいストーリーを築いていきたいと考える選手がいたとしても不思議はないのだろう。

 それが今オフ、一気に3組のデュオが生まれた理由はどこにあったのか。ウルフ氏は「(大谷と山本はWBCで)優勝したチームのチームメイトだったおかげで、お互いのことをより快適に感じられるようになっていた。まるで昔からの友達のように、とても打ち解け合っていた」と述べ、昨春のWBCでの経験がポジティブに働いたことを示唆していた。ダルビッシュと松井のデュオもWBCで戦友だったわけで、その次のオフというタイミングは確かに関係あるのかもしれない。もちろん獲得するチームの方向性にもよるのだから、単なる偶然の要素も含まれているに違いない。

 理由はともあれ、日本語を話す人間が近くにいることが安心感につながるのは確かなはず。それは選手本人だけでなく、チームにとっても同じなだけに、今後「日本人共闘」のトレンドが続いていくかどうかが注目される。それと同時に、それぞれのデュオにどんなケミストリーが生まれるのかが興味深くもある。

 ニューヨーク在住の筆者は2014年、イチロー、黒田博樹、田中将大という豪華トリオが集ったヤンキースを間近で取材した経験がある。その年はプレーオフこそ逃したが、やはり話題豊富だった記憶が残っている。田中、黒田はともに2桁勝利を挙げ、イチローもまずまずの働きをみせたそのシーズン同様、日本人のチームメイトたちの間で相乗効果が生まれることを楽しみにしておきたい。(記者コラム・杉浦大介通信員)

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