日本ハム・ドラ1細野はモイネロ似!? 最速158キロ左腕「軽めに投げても強さがある」矢沢が証言

[ 2024年1月16日 06:00 ]

ブルペン入りした日本ハム・細野(撮影・小海途 良幹)
Photo By スポニチ

 「東都ドラ1セブン」先陣ブルペンだ。日本ハムのドラフト1位左腕・細野晴希投手(21=東洋大)が15日、千葉・鎌ケ谷で新人合同自主トレ初のブルペン入り。捕手を立たせたまま直球のみ20球を投じた。昨秋、ドラフト1位指名を受けた東都大学リーグ7投手ではブルペン一番乗り。7投手で最終指名だったアマ球界左腕最速の158キロ左腕が、大台の160キロを目指し順調なスタートを切った。

 左腕がしなった。右手にはチームカラーの淡いブルーのグラブ。細野は狭めのステップから、ムチのように柔らかく、鋭く腕を振り下ろした。プロ初のブルペン入りで20球。投手の本能から自然と力が入った。

 「本当はもう少し軽く投げるつもりだったけど、勝手に力が入っちゃいました。6~7割(の力感)。練習メニューも含めていい入り方ができたんじゃないかなと思います」

 アマ球界左腕最速158キロを誇るドラ1ルーキー。武田投手コーチや、22年ドラフト1位の二刀流・矢沢ら10人が見守る中で、捕手を立たせた状態でのブルペン投球だった。大学日本代表でもバッテリーを組んだドラフト2位の進藤(上武大)は「上から投げ下ろす感じなので角度がある。マックスではないけど、手元で強さがある」と証言。同じ左腕でもある矢沢は「軽めに投げても強さがある。モイネロ(ソフトバンク)のような?」と同じ最速158キロ左腕でキューバ出身の剛腕に例えた。

 昨秋のドラフト会議では同じ東都リーグから7投手が1位指名も、細野の名前が呼ばれたのは“外れの外れ1位”で最後。「この悔しい気持ちが成長につながる。この気持ちを忘れないように」。グラブの内側には「超下剋上」の刺しゅうを刻んだ。12日のNPB新人研修で再会を喜んだ「ドラ1セブン」最初のブルペン入りに、気持ちが表れた。

 日本球界の左腕では、昨年までDeNAに在籍したエスコバーの163キロが最速。まずは「このままやってたら出る数字」という日本人左腕最速タイとなる160キロをクリアし、1年目からの活躍を目指す。

 今後は各クールの最終日にブルペン入りし、慎重な調整を目的に2軍スタートとなる春季キャンプ前に、捕手を座らせた本格投球も行う意向。「調整の仕方とか過ごし方とかがやっぱり大学とは違う。そういうところでは慎重にいかないといけない」と焦りはない。ドラ1セブンに加えて、同学年には日本選手最速165キロのロッテ・佐々木もいる。ライバルとのプロでの勝負へ。細野が最初のステップを踏み出した。(清藤 駿太)

 ≪NPB左腕最速はエスコバーの「163キロ」≫NPBの最高球速は21年の巨人・ビエイラがマークした166キロ。左腕では同じ年のDeNA・エスコバーの163キロとなっている。日本選手最速は16年の日本ハム・大谷(ドジャース)、昨年のロッテ・佐々木朗がマークした165キロ。左腕では19年にソフトバンク・古谷が3軍戦で160キロを計測したことがある。昨季の日本選手左腕の最速は西武・佐藤隼の155キロだった。

 ◇細野 晴希(ほその・はるき)2002年(平14)2月26日生まれ、東京都八王子市出身の21歳。加住小2年から野球を始め、東海大菅生中では軟式野球部。東亜学園1年夏からベンチ入りも甲子園出場なし。東洋大では1年秋にリーグ戦初登板。2年秋から2部降格し4年春は2部で5勝、防御率0.82でMVP、最優秀投手、最優秀防御率に輝いた。1メートル80、86キロ。左投げ左打ち。

続きを表示

この記事のフォト

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2024年1月16日のニュース