機動力野球復活の兆し見えた広島 チーム最多14盗塁の羽月が象徴的存在

[ 2023年12月14日 05:05 ]

チーム最多14盗塁の羽月。走力を武器に定位置奪取を目指す

 「足が速い、遅いは関係ない」「走塁への意識を高めていく」。新井監督が就任直後に発した号令で、広島に機動力野球復活の兆しが見えた。球団史上最少の26盗塁に終わった昨季から、今季は3倍の78盗塁でリーグ最多の阪神に1差の2位。阪神は近本28、中野20と2人でチーム盗塁数の約6割を記録したのに対し、広島は実に16人が先の塁を奪った。7盗塁以上が7人は、チームでは最後に日本一に輝いた1984年以来39年ぶり。7月1日のヤクルト戦では3回に大瀬良が球団投手で16年ぶりの盗塁。意識が浸透した証だろう。

 象徴的な存在がチーム最多14盗塁の羽月だ。DeNAとのCSファーストS第1戦では1点を追う8回無死一塁で代走に送られ、犠打で二塁進塁後の初球に三盗。菊池のスクイズで同点の生還を果たした。シーズン50試合のうち、代走からが28試合。60打席以下で2桁盗塁はチーム4人目(8度目)で、過去3人は足で名をはせた選手ばかり。代走のスペシャリスト・今井は在籍11年で通算31打席ながら62盗塁。福地はヤクルト時代の08、09年に盗塁王に輝き、赤松は加入した08年から7年連続2桁盗塁をマークした。打力が課題の羽月だが、自慢の走力を定位置奪取の足がかりにしたい。 
(記録担当・石丸 泰士)

続きを表示

この記事のフォト

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年12月14日のニュース