【球宴】バウアー 球種予告で打たれた~笑った~ 予告通り“劇場”展開で主役

[ 2023年7月21日 05:30 ]

マイナビオールスターゲーム2023第2戦   全セ1―6全パ ( 2023年7月20日    マツダ )

<全セ・全パ>4回無死、万波に本塁打を打たれ苦笑いのバウアー(撮影・大森 寛明)
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 「マイナビオールスターゲーム2023」は20日、マツダスタジアムで第2戦が行われ、全パが6―1で連勝した。全セの3番手として4回から登板したトレバー・バウアー投手(32=DeNA)が、投球前に全球種を予告するパフォーマンス。1回を投げ一発を含む3安打2失点も、マウンドで披露した「バウアー劇場」にファンも大喜びだった。 

 笑顔のバウアーが、背を上に向けたグラブの先を、本塁方向へクイッと動かした。「最初は相手も混乱していたね」。4回に3番手で登板。先頭・万波への初球直前のしぐさは「直球を投げる」の意味だった。打者6人、全24球を予告投球。3安打2失点も、大観衆から喝采を浴び満足してマウンドを降りた。

 「何が来るか分かっていれば、一番強いスイングができる。それが一番、面白い野球の勝負。凄く楽しかったです」。プラスワン投票で史上最多36万9446票を集め、最後に決めた来日1年目の初球宴。「球種を教え三振を狙いたい」と宣言した通りのパフォーマンスだった。

 初球。苦笑いの万波に本気の153キロの外角直球で空振り。続いてグラブをさっと横に振ったスライダーでは空振りを奪った。カウント1―2からの一塁ベンチ前のファウルフライを大城卓が落とすと「三振を取るチャンスが残るので」と手を叩いて喜んだ。だが7球目のスライダーで左中間へ被弾。それでも笑って拍手を送り、万波を称えた。紅林に直球を中前打、安田にも左前打されたが「みんないい反応だった。大きなスイングをしてくれた」と笑顔。ただ、万波の一発の直後には柳田を、この日最速155キロの直球で二ゴロに斬る実力も見せた。

 試合前は「佐々木に165キロの投げ方を聞いた」と佐々木朗、戸郷、山本ら侍ジャパンの豪華投手陣と話し込み、戸郷からはフォークの握りも聞き出した。そして「山本の投球フォームはまねして投げたよ」とこの日の登板時に見せたクイック投法のようなフォームは、山本のまねだったと明かした。

 打たれても抑えても「バウアー劇場」を本人が一番、楽しんだ。「イッツ・ファン!凄く楽しかった。得たものを後半戦に生かしたいっ!」。サイヤング賞右腕の無邪気な笑顔が、真夏の祭典で輝いた。(大木 穂高)

 ▼全セ・高津監督(バウアーの球種予告に)うちにも(シーズン中)教えてくれたらいいのにね。面白いと思いました。どの球種もトップレベル。ファンの方が楽しんでくれればそれでいい。

 ▼全セ・大城卓(捕邪飛キャッチに失敗した直後、バウアーが被弾)最初、見失っちゃって分からなくなって…。見つけたんですけど捕れなくて。申し訳ないですね。ベンチに帰ったら“ナイスキャッチャー”と言われました。

 ▼全パ・万波(バウアーとの対戦で1本塁打。球種の予告は)打つのは難しいし、変な力みも出るので簡単ではないと思う。

 ▼全パ・安田(バウアーと対戦し、1死一塁から左前打)記事通り球種を教えられて、ビックリでした。(ロッテ・吉井監督に)ホームラン打てませんでした、と頭を下げます。

 ▽バウアーの球種予告 レッズ時代の20年3月4日のドジャースとのオープン戦。3番手で4回から登板し先頭打者との対戦の際にグラブで捕手に球種を伝えてから投球を行った。中継した「FOXスポーツ・シンシナティ」は同僚のディートリッチの「トレバー(バウアー)はサイン盗みが気に入らないんだ」と前年までのアストロズのサイン盗み問題への抗議の気持ちを示すためとしたが、本人は「楽しんだだけ」と説明。同年1月には同問題を皮肉ったデザインのTシャツを作製・販売していた。

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