4連勝西武に新星!19歳浅村が初ホームラン

[ 2010年8月11日 06:00 ]

<楽・西>6回1死、プロ入り初ホームランの西武・浅村をベンチも大喜びで迎える

 【西武9―3楽天】2年前の甲子園を沸かせた西武・浅村が、記念すべきプロ初アーチを放った。インタビューで感触を問われると「今考えてみると、忘れています」。そのコメントから数分後。ベンチ裏で報道陣に囲まれると「最高です。忘れられないですね」となった。19歳の素顔が出たシーンだった。

 プロ6度目のスタメン。右の岩隈相手に起用した渡辺監督は「日本を代表する投手の球を見せてあげようとね」。その期待に応えたのは4回、2点を先制した直後だ。1死二塁から初球の内角シュートを中前へ。「岩隈さんから打てたのが次の打席につながった」。6回には山村の内角シュートを左中間席へ運んだ。
 08年夏。大阪桐蔭の1番打者として、打率・552をマークしチームを全国制覇に導いた。当時のエースで青学大に進学した福島が、今年6月の東都1・2部入れ替え戦で2勝を挙げた。「いいみたいですね。プロで対戦できますかね」。2軍で汗を流す日々。同級生の活躍は刺激になった。
 高校の1学年上には日本ハムの中田がいた。現在も連絡を取り合う大ブレーク中の大砲には「凄いなと思います」と言いながらも「負けたくないです」とキッパリ。「中田さんとはタイプが違うので意識はしていないです」と照れたが、その先輩を超える2年目、10代での本塁打を達成した。
 今年4月。野手最年長・平尾とバットを交換した。「平尾さんのバットは自分のよりも少し重いタイプだったので」と、重量バットでスイングを繰り返した結果、自身のバットは軽く感じられるようになった。「ファームでは大きいのは狙わずに自分のスイングをしようと思っていました」と言いながら、通算6本目の安打がフェンスを越えた。気が付かないうちにパワーも備わった。
 チームは4連勝で首位を守った。試合後、浅村の元に記念球は帰ってきた。「実家に送ろうと思います」。オリックスのT―岡田、日本ハムの中田ら若手が盛り上げる日本のプロ野球界。西武の次代を担う19歳も、大きな一歩を踏み出した。

 ≪08年夏日本一に貢献≫浅村は大阪桐蔭で08年夏に甲子園出場。全6試合に1番・遊撃で先発出場して初戦の日田林工戦で5安打、2回戦の金沢戦では2本塁打を放つなど全試合で安打を記録。同校2度目の全国制覇に貢献した。2年だった07年春の出場時はベンチ外で、同年夏は二塁の定位置を奪ったが大阪大会で敗れている。

 ◆浅村 栄斗(あさむら・ひでと)1990年(平2)11月12日、大阪生まれの19歳。大阪桐蔭では1年秋からベンチ入り。3年夏は1番打者として全国制覇に貢献した。08年ドラフト3巡目で西武入り。昨年はイースタンで99試合に出場し、打率・219、3本塁打、27打点。1メートル81、78キロ。右投げ右打ち。

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2010年8月11日のニュース