上地結衣が涙、涙…「止まらないんです」 あふれる思い「勇気を与えられているのかは分からない」

[ 2021年9月4日 01:37 ]

東京パラリンピック第11日 車いすテニス女子シングルス決勝   ●上地 3―6、6―7 デフロート○ ( 2021年9月3日    有明テニスの森公園 )

<パラリンピック車いすテニス 女子シングルス>決勝で敗れ、悔しげな表情を見せる上地(撮影・坂田 高浩)
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 第2シードの上地結衣(27=三井住友銀行)は、第1シードのデフロート(オランダ)に3―6、6―7のストレートで敗れ、悲願の金メダルとはならなかった。試合後は、思いがあふれ大粒の涙。ミックスゾーンでも声を震わせ「本当に(涙が)止まらないんです。悔しいけど、プレーはやり切ったという思いもある。そういう意味の涙でもある」と言葉を振り絞った。

 銅メダルに終わった16年リオデジャネイロ大会から5年。メダルの色が銀に変わり、「前回とは違う気持ち」。でも、目指していた色ではなかった。「結果として負けてしまってのメダルなので、悔しい。実力不足」と率直な思いを打ち明けた。

 今大会は開会式で聖火台へ点火をする大役を担った。パラスポーツ界をけん引するアスリートとして、さまざまな思いを胸に挑んだ自国開催。無観客だったが、テレビの画面越しに思いを伝えるためにプレーした。「自分の活躍が、実際はどれだけの人たちに届いているのか、どれだけの気持ち、勇気を与えられているのかは分からない。本当に微々たるものだと思う。だけど、少しでも(競技を)面白いなって思ってもらえたり、また次ぎも見たいなって、思ってもらえるような試合をしたいという気持ちは、勝つことと同じくらい、プロスポーツ(選手)として持っている」。決勝を終え、日をまたいだ深夜に熱い思いを語った。

 そして、「自分たちが活躍しないことには何も始まらない。結果を残し続けることが、皆さんに見てもらえる結果になると思うので、今後も頑張りたい」。27歳のヒロインは涙を拭い、誓った。

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