沖縄初のレスリング五輪出場・屋比久、2回戦で敗れる「前半は相手の時間多くなってしまった」

[ 2021年8月2日 14:00 ]

東京五輪第11日レスリンググレコローマンスタイル77キロ級2回戦 ( 2021年8月2日    幕張メッセ )

男子グレコローマン77キロ級の屋比久翔平
Photo By スポニチ

 男子グレコローマンスタイル77キロ級の屋比久翔平(26=ALSOK)が、2回戦でタマシュ・レーリンツ(ハンガリー)に敗れた。沖縄出身のレスラーとしては初の五輪出場。金、銀メダルへの夢は途絶えた。

 相手は2019年の世界選手権王者。試合後、「前半は相手の時間が多くなってしまって、相手が最後に崩れ落ちる形までつなげられなかったことが悔しい」と振り返った。

 夢の舞台だった。五輪は1989年世界選手権代表の父・保さんがケガの影響もあり立てなかった舞台。「親父が五輪に出られなくて、そのことを物心ついたときから色んな方に言われた。五輪を目指すきっかけは親父だった」と語っていた26歳にとって、様々な思いが交差する大舞台だ。さらに父の思いに加え、昨年4月に結婚し、8月には第一子が誕生。一家の大黒柱としての自覚も強くなった。

 16年リオデジャネイロ五輪予選では力が及ばず、世界との差を思い知った。あれから5年。「屈辱」と称したあの時の思いは、一時も忘れたことがない。

 レーリンツが決勝戦に進出すれば、屋比久が敗者復活戦に回り銅メダルへの可能性を残しており、「しっかり今の反省をしつつ、(敗者復活戦への)可能性があるからそこに向けて全力で取り組みたい」とコメント。五輪の舞台での雪辱にわずかな望みをつなぐ。

 ◆屋比久 翔平(やびく・しょうへい)1995年(平7)1月4日生まれ、沖縄県名護市出身の26歳。沖縄・浦添工、日体大出、ALSOK。全日本選手権は5度優勝、17年から3年連続で世界選手権に出場。父・保さんは89年世界選手権代表。1メートル74。

続きを表示

2021年8月2日のニュース