白鵬 完全復活!7場所ぶり45度目V 荒々しさ全開 プライドも品格もかなぐり捨て絶叫ガッツポーズ

[ 2021年7月19日 05:30 ]

大相撲名古屋場所千秋楽 ( 2021年7月18日    ドルフィンズアリーナ )

小手投げで照ノ富士を下し、雄叫びを上げる白鵬
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 9年ぶりの楽日全勝対決は、横綱・白鵬が大関・照ノ富士を小手投げで下し、7場所ぶり45度目の優勝を果たした。右膝負傷などによる6場所連続休場から進退を懸けて臨んだ場所で16度目の全勝V。完全復活を印象づけた。照ノ富士は3場所連続優勝を逃したが、八角理事長(元横綱・北勝海)は昇進について、19日の横綱審議委員会に諮問することを明言。21日にも令和初の横綱が誕生する。

 照ノ富士の巨体を転がして45回目の優勝を手繰り寄せると、白鵬は右手を大きく振り下ろし、鬼の形相で雄叫びを上げた。客席の紗代子夫人と4人の子供、さらにはトレーナーら支援者が見守る前で、プライドも品格もかなぐり捨てた。優勝インタビューでは表情も柔和になった第一人者は「右膝がボロボロで、言うことを聞かなかった。この一番に全てを懸けようと思った」と吐露した。

 モンゴルの後輩、照ノ富士との全勝決戦。同じ舞台だった7年前は大関・日馬富士の引き立て役だったが、今回は違った。眼光鋭くにらみつけ、肘打ちのような右かち上げから、右、左、さらに左と大振りの張り手。右四つで上手を引くも足が出ず、強引な左小手投げの連発で優勝を引き寄せた。前日、仕切り線から遠く立った正代戦に次いで、この日も荒々しさ全開のファイト。勝利への執念で相手を凌駕(りょうが)した。

 右膝負傷などによる6場所連続休場明けだった。3月には手術を決断。5月の夏場所を全休し、名古屋場所に進退を懸けた。序盤こそもたついたが徐々にペースをつかみ不安を一掃。「二度と土俵に上がれないんじゃないかと思った。これでまた(前に)進めるので良かった」と笑みを交えて話した。

 昨年春場所以来7場所ぶりの優勝。自身の相撲人生でも最長のブランクを克服した。36歳4カ月は千代の富士を抜いて横綱最高齢優勝。公言してきた東京五輪まで現役の目標も達成する。「重ね重ねの、いろんな思いがある。あと1勝で横綱900勝。次の1勝を目指していきたい」。14年前、横綱として第一歩をしるした名古屋で白鵬がよみがえった。

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