神鋼新クラブハウスはオールブラックス流 巨大仮眠室にバーベキューテラス完備

[ 2021年7月8日 05:30 ]

ラグビー神戸製鋼の新しいクラブハウス
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 ラグビー・トップリーグ、神戸製鋼が7日、8月に完成予定の新しいクラブハウスの概要を説明した。現在のクラブハウスの老朽化に伴って、隣接したテニスコート4面分の敷地に建てられている。内装工事中のため、外観を眺めながら、ラグビー部支援室・平田貴博さんが紹介をした。その言葉から、“オールブラックス”のエッセンスが存分に注入されていることが伝わった。

 というのも、ニュージーランド代表のコーチとして11、15年のW杯連覇に貢献したウェイン・スミス総監督のこだわりで、選手ファーストの設備がズラリ。例えば、「スリーピングルーム」。疲労回復と体づくりのために、ラグビーでは練習と練習の間に昼寝をすることが一般的。神鋼が新たに設ける、抗菌加工の畳が敷かれた仮眠室の広さは、福本正幸チームディレクターが「(ニュージーランド代表で昨季で退団した)レタリック(2メートル4)なら20~30人分。日和佐、徳田(ともに1メートル66)なら、50人分」とジョークを飛ばすほど、広々としている。

 ケアのための流水プール、ジャグジー、アイスバスなど、様々な種類の“お風呂”も設置。筋トレルーム、縦25メートル、横20メートルもある室内練習場、スパイクで入室できるグラウンド直結のミーティングルームなど、ラグビーに専念できる拠点だ。しかし、スミス総監督は遊び心も忘れなかった。

 「リラックススペース」はカフェ空間で、2階の屋上は「バーべーキューテラス」にも応用できる。8強(5位)に終わった昨季、コロナ禍により、選手、スタッフ間の仲を深める取り組みがほとんどできなかったことを、スミス総監督は強く残念がったという。世界的な知将は、戦術以上に、人と人のつながりを重視する。チームの団結力を高める環境を求めたようだ。

 これまでの建物は、初の日本一「V1」を記念して89年11月に建てられた。ラグビー界では国内初のクラブハウスだった。進取の精神は受け継がれ、今回も最新設備が整う。選手、スタッフの数が多いラグビーはどうしても大きなハコが必要になるが、それでも他のスポーツを見てもこれほど充実した施設は、国内にそうはない。

 求められる結果は分かっている。福本チームディレクターは「優勝せんとアカンでしょ。ハングリーさを忘れずにやりたい」と力を込めた。来年1月開幕予定の新リーグで、初代王者を狙う。

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2021年7月8日のニュース