大坂 全仏での会見拒否、精神的負担を強調 関係者は「真意分からない」

[ 2021年5月28日 05:30 ]

大坂なおみ(AP)
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 女子テニスの大坂なおみ(23=日清食品)が27日に自身のツイッターを更新し、4大大会の全仏オープン(30日開幕、パリ)で記者会見に応じない意向を表明した。「これまで記者会見に参加したり見たりし、アスリートの心の健康状態が無視されていると感じていた。自分を疑うような人の前には出たくない」と訴えた。大坂の関係者は「真意は分からない」と意図を測りかねている。

 ツアー大会で選手は試合後にコート上のインタビューや記者会見に応じる義務がある。4大大会規定ではシングルスの本戦出場選手はケガなど特別な理由がない限り、開幕2日前から要請があれば会見を開かなければならない。拒否すれば罰金を科されることが通例。金額は世界ランキングによって違い、最大2万ドル(約218万円)に設定されている。

 大坂は19年6月のツアー大会で2回戦敗退した際に試合後の会見を拒否。同7月のウィンブルドン選手権で初戦敗退後も会見を途中で切り上げた過去がある。「何度も同じ質問をされ、疑念を抱く質問を受けることも多い」と精神的負担を強調し「“会見するか、さもなくば罰金だ”と言う統括組織は、選手の心の健康状態を無視している」と非難した。SNSのフォロワーはツイッターが96・3万人、インスタが224万人。発信力があるだけに波紋を広げることは必至だ。

 【大坂のツイッター全文】
 皆さん、こんにちは。私はローランギャロス(全仏オープン)では記者会見を行わないことを表明します。アスリートの心の健康状態が無視されていると、記者会見を見たり、参加したりするたびに感じていました。何度も同じ質問をされたり、私たちが疑念を抱く質問を受けたりすることが多く、私は自分を疑うような人の前には出たくありません。
 敗戦後の会見場で泣き崩れる選手の映像を何度も見てきましたし、皆さんも見たことがあると思います。落ち込んでいる人に追い打ちをかけるようなもので、そんなことをする理由が理解できません。記者会見に応じないことは、大会に対する個人的な思いとは関係ありません。若い時から私を取材してくれている報道陣もいますし、その大半とは友好的な関係を築いています。ただ、“会見するか、さもなくば罰金だ”と言う大会の統括組織は、選手の心の健康状態を無視しており、笑うしかありません。(全仏で払うことになる)高額な罰金が心の健康維持の慈善活動に寄付されることを願っています。

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