池江 収穫の2位!復帰後初の表彰台!女子50自由形24秒91「自分の中では自己ベスト」

[ 2021年2月8日 05:30 ]

競泳 ジャパン・オープン最終日 ( 2021年2月7日    東京アクアティクスセンター )

女子50メートル自由形決勝、ゴールしタイムを確認する池江(右は優勝の大本)(撮影・会津 智海)
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 白血病からの完全復活を期す池江璃花子(20=ルネサンス)が女子50メートル自由形で24秒91で2位に入った。昨年8月のレース復帰から4戦目で初の表彰台。昨年10月の日本学生選手権の決勝から0秒71タイムを上げた。東京五輪を目指す可能性については白紙を強調したが、派遣標準記録まで0秒45に迫る好タイム。次戦は東京都オープン(20、21日、東京辰巳国際水泳場)で復帰後初めて本命種目の100メートルバタフライに出場する予定だ。

 復帰後初めて表彰台に上がった池江は、写真撮影が終わると即座に首から銀メダルを外した。25秒30を目標に掲げたレースで24秒91を記録。3選手が24秒台のハイレベルな展開で2位に入り「24秒台が出るとは思っていなかったので、自分の成長を感じられた。自分の中では自己ベストだと思っている」と収穫を強調。一方で「2番だったので、さらに上を目指したい。いつも中途半端なので次はバシッと決めたい」と悔しさもにじませた。

 予選を25秒06の全体1位で通過し、決勝は第4レーン。スタートの反応時間0秒68は8人中最も遅かったが、後半にグッと伸びた。594日ぶりのレースとなった昨年8月の復帰戦から半年足らずで1秒41も記録を上げ、10月の日本学生選手権より0秒71も速いタイム。自己ベストの日本記録までも0秒70と1秒を切った。8日で白血病発覚から2年。予選後には涙を見せ「泳ぎ始めて1年たっていない状況で自己ベストにコンマ何秒の世界に戻ってこられた」と感慨に浸った。

 浮き上がりまでの15メートルで出遅れる課題克服に向け、今冬は体重増に着手した。3食を完食することをノルマとし、お代わりも意識。練習の合間にパンを食べるなど摂取カロリーを増やした。退院直後はベストから約15キロ減だった体重は、西崎勇コーチの下で本格練習を再開した昨年4月に比べ約6キロ増加。序盤のスピードはまだ国内トップ選手に及ばないが、池江は「体重を戻すことにフォーカスしたことで、15メートル通過が大幅に速くなった」と手応えを口にした。

 20、21日の東京都オープンでは復帰後初めて本命種目100メートルバタフライに出場する。結果次第では50、100メートル自由形とともに東京五輪出場も視野に入るが「今は東京五輪を目指しているとは言い切れない。世界で戦えるようになる結果が出始めたら、その時に考えるが、今はその段階ではない」と慎重な姿勢を崩さない。TOKYOを意識しすぎず、一歩ずつ第二の水泳人生の階段を上がる。

 ▼西崎勇コーチ タイムは良い意味で裏切ってくれて、上振れしてくれた。日本選手権の出場種目は決定していない。東京都オープンのバタフライの結果を踏まえて最終的には本人と決めたい。
 
 【池江の復帰後のレース】
 ☆20年8月29日(東京都特別大会) タイムレース決勝の50メートル自由形に出場。19年1月13日の三菱養和スプリント以来594日ぶりのレースで26秒32で5位に入った。目標に掲げた日本学生選手権の参加標準記録をクリアし「第二の水泳人生の始まり」と笑顔。

 ☆20年10月1、2日(日本学生選手権) 初日は50メートル自由形に出場した。予選は25秒87で全体6位通過。決勝は25秒62で4位に入り「4番は正直悔しいが、今の段階では上出来」と語った。第2日はチームメートに体調不良者が出たため、女子400メートルリレー予選に第3泳者で緊急出場。引き継ぎタイム56秒19で決勝進出に貢献した。

 ☆21年1月23日(北島康介杯) 100メートル自由形に出場。予選を56秒16で泳ぎ、東京五輪代表選考会となる4月の日本選手権の参加標準記録を突破した。全体6位で進んだ決勝は55秒35で4位になり「参加標準記録を切れたのは良かったが、4番は凄く悔しい。また4番か」と苦笑い。

 ▽競泳五輪への道 個人種目は4月の日本選手権決勝で、日本水泳連盟が定めた派遣標準記録を突破し、2位以内に入ることが東京五輪代表の条件となる。女子50メートル自由形の派遣標準記録は24秒46。

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