タモリ×ラグビー福岡 爆笑トーク!【22分動画付き】(2)ルール難しい…「スクラムの反則分からない」

[ 2020年1月1日 12:00 ]

ラグビー日本代表のパレードが行われた丸の内仲通りを背にするタモリ(左)と福岡(撮影・吉田剛)
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 2020年いよいよ東京にオリンピックがやって来る!スポニチ五輪イヤーの幕開けを飾る特別ゲスト第1号は、56年前の東京大会で「閉会式に驚いた」というタレントのタモリ(74)。大好きなラグビーの日本代表で同じ福岡県出身の福岡堅樹(27)との豪華新春対談が実現した。日本中を熱くしたラグビーW杯や同じ30代での転身、そして東京五輪に懸ける思いまで硬軟織り交ぜた爆笑スクラムトークとなった。(聞き手・構成、阿部公輔、甘利陽一)

 ――福岡選手は東京五輪に7人制ラグビーで出場するのを目指しています。

 タモリ これまた別物でしょう。

 福岡 違いますね、だいぶ。

 タ 各国力入れてるの?

 福 最近は米国が力入れ始めてて。アメフトとか陸上の足の速い選手をたくさん連れてきてて。

 タ 7人制の面白さは?

 福 大きく違うのは同じ広さの所を半分以下の7人で守らなきゃいけない。一人一人のスペースは広くなるので、よりスピードが大事になります。できるだけボールを動かすため、みんなタックルされてもなるべく立ってボールをつなぐので面白い試合になります。

 タ でもキツイね。

 福 めちゃくちゃキツイです。7人制は1人サボると7分の6。常に動いていないといけない。それがしんどい。練習もキツイです。ヘロヘロになってからどれだけ走れるかが勝負なので。

 タ ラグビーやってた友達に聞くと「もうダメだと思った、何回目かのダメだの先に、もうちょっと力があることが分かる」んだってね。

 福 そうです。その“ダメだの先”を見つけるために、そういう練習を何度も何度も繰り返して、そこをどんどん増やしていくんです。

 タ 皆さんの活躍でラグビーの層が厚くなるといいですね。

 福 本当にそうですね。この先につなげたいです。今、スクールに体験入学の数も増えていて、それが一番うれしいです。

 タ やっぱりW杯のベスト8以上は凄い?

 福 そこから上の世界はレベルが1段階上がりますね。予選で力抜くところをうまく抜けるチームじゃないと、メンバーを入れ替えながらできるチームじゃないと、1カ月半戦い抜くのは厳しい。南アとの大きな違いはそこでしたね。

 ――1964年の東京五輪は?

 タ あの時は日本で初めてのオリンピックってことで、僕は高校3年で九州にいて。その後東京に出てくるんですけど、テレビで見てました。

 ――一番印象に残っているのは?

 タ 閉会式。あれは驚きました。各国の選手がバラバラに入り乱れての行進で。何が起きているのか分からなかった。国とか人種とか超えてみんなで肩組んで。これが平和の祭典なのかと。閉会式の自由な行進は今じゃ当たり前ですけど、あの時の東京が最初だった。待機中に酒飲んだ外国人選手がきっかけという逸話も面白いよね。

 ――予定調和じゃないところから歴史は生まれ、それがスタンダードになるんですね。

 タ 平和を象徴するシーンが狙って生まれたんじゃないってのがいいよね。一方でラグビーはルールが難しいから面白いところもある。

 福 僕らでも全部把握してなくて。自分に関係ないルール、僕ならスクラムの反則とか全く分からないです。レフェリーがこっちに笛吹いたら、よし!ナイスって(一同爆笑)。

 ――ルールといえば、今夏の東京五輪は8月開催という時期に縛られて、マラソンの会場が札幌に移っちゃいました。

 タ この温暖化の時代だからね。

 福 僕らとしても8月は相当しんどい。

 タ 体力、相当持っていかれるよね。

 福 許されるなら札幌でやりたいくらい(笑い)。

 タ W杯は全国のいろんな会場でやって。子供がその国の歌を歌ったり、いろんないい場面が世界に発信され、相当日本の評判が上がったと思う。でも、子供連れての選手入場はラグビーには似合わないんじゃないかと…。

 福 そうですか?

 タ 昔通り、選手がパーッと出てくるのがいいね。かつて(日本代表の)大八木がグラウンドに出る階段の途中でけつまずいて、頭打って血流しながら出てきたって松尾から聞いたことがあって。

 福 大先輩。豪快な方です(笑い)。

 タ 五輪後は医学の道に進まれるということで。凄いことですよ。医者になるだけでも大変だし、ラグビーでこれだけ活躍するのも大変なんですから。頑張っていただきたい。

 福 ありがとうございます!

 タ 僕の友達もサラリーマンから医者になった。30ぐらいで医者の一人娘にほれてね。嫁にくれって言ったら、彼女の父親が「ウチは娘が1人なんだから医者しか娘はやらない」と。何度頭下げてもダメで、頭にきたから「じゃあ俺が医者だったらいいんですか」と会社辞めて学校入った。ボーッとしたヤツだったのに、ガッツあって驚いた。

 福 僕は夜早めに練習終わるので、その後の時間とか使って。少しずつ忘れないように勉強しています。

 タ ケガもありましたよね。

 福 膝だけで5、6回手術しているので。自分のケガの経験を医学の道で生かしたいです。精神的にも寄り添って前向きにさせてあげられる人になりたいというのが一番大きいですね。

 タ ラグビーは相当メンタリティーが出ますよね。

 福 今回の代表も凄く重きを置いていて、メンタルコーチを呼んでチームをつくり上げて。

 タ 俺なんか全くダメで。今はやめちゃったんですけど、ゴルフを必死になってやってた時期があって。コース出てOB打つじゃないですか。メンタリティーなってないんで「あぁ俺はこうやって人生失敗していくんだ…」ってなるんですよ。そうすると本当に失敗していく(笑い)。

 福 響きますね。

 タ 響くねえ。だから俺、絶対スポーツに向いてない。人生全体にも向いてない(笑い)。でも、アイルランドは後半見てると顔が負けてましたよね。

 福 焦ってたと思います。たぶんそういう流れになっちゃうと個人でなんとかしようとして余計に悪化しちゃうことが多い。そういう時こそ、自分の役割に徹するようにしました。

 タ ラグビーは瞬時にオフェンスとディフェンスが変わるから余計難しいですよね。

 福 切り替えの瞬間が狙われるところでもあるので、そこはコミュニケーションを取って。僕らとしても120キロある選手が突っ込んでくると怖いですけど、いざ試合になっちゃえばぶつかる恐怖よりも、自分がビビって抜かれてチームに迷惑かける方が怖いという精神になっている。だから当たりに行ける。メンタリティーは本当に大事です。

 タ 今お話聞いてても、スポーツやってこられたお医者さんはいいと思う。医療の現場は患者と対面してコミュニケーションを取るのが必要。人間的な部分が相当必要で、いくら優秀でもそれができない人が多い。患者の方を見ずに、画面見ながら全部やって。患者は弱いものなので、医者の一言で相当勇気づけられる。大事なことですよ。そこがスポーツやってる方は違うと思いますね。特にラグビーは。

 福 僕自身、スポーツアスリートから医学の勉強に行く人も少ないので、こういう道を切り開いていきたい。今後そういう人が出てきてくれればとも思います。

《続く》

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