常翔学園 逆転で中部大春日丘との接戦制す、SH辻 サインプレー決め鮮やかトライ

[ 2020年1月1日 15:17 ]

第99回全国高校ラグビー第4日・3回戦   常翔学園19―15中部大春日丘 ( 2020年1月1日    東大阪市・花園ラグビー場 )

<常翔学園・中部大春日丘>後半、右中間にトライする常翔学園・辻(撮影・成瀬 徹)
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 常翔学園(大阪第2)はノーサイドの瞬間、まるで優勝したかのように喜んだ。

 後半28分。自陣ゴール前20メートル、敵ボールのラインアウト。相手ノックオンでボールをキープしたが、ロスタイムはまさかの2分。ジワジワボールキープして前進するも、31分に反則で再び相手ボールに。タッチキックからのラインアウトはゴール前10メートル。トライを奪われれば逆転される場面で何とか踏ん張り勝利を手にした。野上監督の第一声は「しんどかった」。まさにそんな展開の連続だった。「予想以上にFWが(前に)行けなかった」。大型FWが中部大春日丘のプレッシャーを受け、思うように攻撃のリズムが作れなかった。

 前半13分にはPGで先制された。14―3で前半を折り返したが、後半8分にトライを奪われ、4点差に追い上げられた。それでも14分、前半から優位に立っていたスクラムを起点にサインプレーを仕掛けた。右中間敵陣45メートル。No.8知念からパスを受けた後半出場のSH辻は「相手DFがWTBをマークしたのが分かった」と、そのまま40メートル以上を走りきり突き放した。

 最後まで緊張の戦いで、野上監督は収穫を口にした。「ワールドカップ効果かな。日本代表がスコットランド戦で最後にボールをキープして勝ったように、ボールを動かさずに時間を使った。今までなら展開してミスしたり、キックしてチャージされて逆転されていた。そういう意味で成長した」。3日の準々決勝の相手は京都成章に決まった。指揮官は秘策を聞かれ「必死のパッチやね」と、不敵な笑みを浮かべた。

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2020年1月1日のニュース