報徳学園 大会史上最多162得点で歴史的勝利 FB山田主将前半だけで2T 10GKの30得点

[ 2019年12月29日 05:30 ]

第99回全国高校ラグビー第2日・1回戦   報徳学園162―5山形中央 ( 2019年12月28日    東大阪市・花園ラグビー場 )

<高校ラグビー 第1G 1試合 報徳学園・山形中央>前半26分、80メートルを独走しトライを決めた報徳学園・山田 (撮影・奥 調)
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 1回戦11試合が行われ、花園第1グラウンドでトライラッシュが起きた。第1試合で、報徳学園(兵庫)が24トライを挙げて山形中央(山形)に162―5で勝ち、16年度の東福岡(福岡)の139点を大幅に更新する史上最多得点記録を樹立した。第3試合では、石見智翠館(島根)が20トライで歴代4位の132点を挙げ、富山第一(富山)に完封勝ちした。

 報徳学園がトライのたびに、逆に花園が静かになるようだった。どこまで取るのか…。穏やかではない空気が会場に漂うほど個の力は歴然。山形中央をはじき飛ばし、次々とパスを回して、得点が数分ごとに刻まれた。

 後半26分、途中出場のFB植田がトライ。GKも決まって141―5。16年度2回戦で東福岡が浜松工戦で記録した139得点を超えた。最後まで勢いは衰えず、24トライ、162点まで伸ばした。
 「自分たちのラグビーを全うするだけ。その結果、記録になってうれしい」

 4強1度、45回の出場を誇る伝統校の新たな歴史をつくったFB山田主将は、冷静に振り返った。2年生だった昨年度、高校日本代表に選ばれた逸材だ。
 前半7分、ゴール前でディフェンス裏へのグラバーキックでWTB河野のトライを演出。同26分、50メートル6秒1の足を緩急付けて走って、追撃をかわして80メートル独走トライ。前半だけの出場で2トライ10GKで30点を挙げた。

 「あまり納得はいかない。僕は走ってナンボ。間合いを詰められてつぶされたところがあった」と1メートル74、73キロの自己評価は低いものの、西條裕朗監督(56)の信頼は厚い。「抜くときにスピードが上がる。体は細いけど、簡単に倒れない」と、長所を並べた。

 卒業後は慶大へ進学する。「報徳(ラグビー部)で、行ったことがないところに行きたい」と、学内成績や面接などで合否が決まるAO入試に合格した。ラン良し、キック良し、パス良し、頭良しのスター候補だ。

 春の選抜大会出場を逃したためにシード漏れしたものの、FWもバックスも機動力と展開力に優れ、地力は高い。2回戦はBシードの国学院久我山(栃木)。爆勝の勢いを追い風にすれば、ノーシードの快進撃も夢ではない。 (倉世古 洋平)

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2019年12月29日のニュース