萩野 男子200個人メドレー銅、168日ぶり実戦「幸せ」

[ 2019年8月4日 05:30 ]

競泳 W杯東京大会第2日 ( 2019年8月3日    東京辰巳国際水泳場 )

競泳W杯東京大会第2日 男子200メートル個人メドレー決勝を3着で終え声援に応える萩野(撮影・西川祐介)
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 男子200メートル個人メドレーで、168日ぶりにレース復帰した萩野公介(24=ブリヂストン)は2分0秒03で3位に終わった。モチベーション低下を理由に一時競技を離れ、2週間前に本格練習を再開。トレーニング不足は否めず、代表活動の参加条件となる基準タイムを切れなかった。大会最終日の4日には200メートル自由形に出場する。女子400メートル個人メドレーの大橋悠依(23=イトマン東進)は4分34秒27で2位に入った。

 約5カ月半のブランクが重くのしかかった。2月のコナミオープン以来のレース。200メートル個人メドレー決勝で、萩野は最初のバタフライで6番手と出遅れた。続く背泳ぎで3番手に順位を上げたが、最終泳法の得意の自由形で伸びずにゴール。自己ベストの日本記録から4秒96遅れ、代表活動の参加条件となるタイムにも0秒80届かなかった。自身の持つ中学記録より0秒77遅く「最後は死んでいた。練習不足は否めない」と振り返った。

 モチベーション低下を理由に一時競技を離れ、5月にプールでの練習を再開。2部練習など本格的なトレーニングは2週間前に始めたばかりだった。休養中は「タイムと結果ばかりを追い求めても息が詰まる。できないことがあってもいいと考えられるようになった」と水泳との関係を見つめ直した。この日はスタート前に大歓声を浴び「たくさんの人に応援してもらい、自分の好きな水泳ができて幸せ者」と泳げる喜びをかみしめた。

 7月の世界選手権はテレビ観戦。2日には試合会場で400メートルと200メートルの個人メドレーで2冠の瀬戸に「おめでとう」と声を掛け「ライバルなので負けてられない」との思いを強くした。復帰戦で厳しい現実を突きつけられたが、本格練習再開後の2週間で体が締まり体重は5キロ減。「人間やろうと思えば何でもできる。今、足りないものは全部。できないことをできるようにするワクワクが待っている。五輪に対する情熱は変わっていない」と視線を上げた。4日には200メートル自由形に出場予定。16年リオデジャネイロ五輪金メダリストとして、このままでは終われない。

 【萩野の経過】
 ☆2月16日 コナミオープンの400メートル個人メドレー予選で自己ベストから17秒以上遅いタイムを記録した。全体7位で予選通過したが、決勝を棄権。レース後は病院に向かい、体に異常はないと診断された。
 ☆同18日 同19日からスペインで予定していた高地合宿の参加を見送ることを決定。
 ☆3月15日 所属事務所を通して4月の日本選手権の欠場を発表した。モチベーション低下が理由。同選手権は日本代表選考会を兼ねるため、7月の世界選手権(韓国・光州)出場の可能性も消滅した。
 ☆同28日 所属事務所の社長を務める北島康介氏が萩野が東京五輪を引き続き目指す意向を示していることを明かす。
 ☆6月6日 都内で取材に応じ5月に母校・東洋大のプールで練習を再開したと説明。「東京五輪の目標は複数種目の金メダル獲得」と断言した。
 ☆8月2日 W杯東京大会の練習で東京辰巳国際水泳場に姿を現し、約5カ月半ぶりに公の場で泳ぐ。

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