ジョセフHC 母死去で緊急帰国もリーチ主将中心に結束

[ 2019年8月4日 05:30 ]

ラグビー リポビタンDチャレンジカップパシフィックネーションズ2019日本ラウンド第2戦   日本41―7トンガ ( 2019年8月3日    花園ラグビー場 )

<日本・トンガ>緊急帰国したジョセフ・ヘッドコーチと急逝した母・マウデさんとの写真を持つリーチ主将ー中央(撮影・成瀬 徹)
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 勝利に酔うフィフティーンには、最後にやるべきことが残っていた。試合後、リーチ主将は遺影を手にし、グラウンド中央に座り込む。そこに全員が集まり、記念写真を撮った。遺影にはジョセフHCの母・マウデさん(享年78)の姿があった。「今朝、ジェイミーのお母さんが亡くなったのを知った。チームスローガンはワンチーム。僕たちもジェイミーのことを思っている。一つのメッセージ」とリーチは明かした。

 試合前、衝撃が走った。日本協会は以前から容体が悪かったマウデさんが2日の日本時間午後9時30分ごろ死去したことを公表。ジョセフHCと最後に会話した30分後に自宅で息を引き取った。一夜明け、指揮官とリーチらリーダー陣は話し合う。日本に残ることを主張する指揮官にリーダー陣は帰国を勧め、トニー・ブラウン・コーチ(44)が代行で指揮を執った。

 緊急事態でも落ち着いていた。4月20日、ウルフパックがハリケーンズBと戦った際、ハーフタイムにコーチ陣があえてロッカールームに入らなかった。リーダー陣を中心に選手だけで困難を乗り越える自覚を植え付けるためだ。何があっても動じない。動じてはいけない。喪章を着けて臨んだこの試合。その経験が生きた。今季初先発のリーチは屈強な相手にひるまず密集に飛び込んでいった。

 ジョセフHCは10日にフィジーで行われる米国戦で再合流する。リーチは言う。「監督がいなくても勝てるのは理想」。日本がまた一つ、結束した。

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