【菊谷崇の目】FWまでつなぐ意識、パスラグビーに新境地見た

[ 2019年7月28日 08:15 ]

リポビタンDチャレンジカップ パシフィックネーションズ2019日本ラウンド第1戦   日本代表34―21フィジー代表 ( 2019年7月27日    釜石鵜住居 )

<日本代表・フィジー代表>後半、モールで押し込むリーチ(右)ら日本代表
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 日本は前半の入り方が素晴らしかった。グラウンドを大きく使って展開。密集からの次のアタックも速く、近場を切り裂いた。フィジーに攻撃の的を絞らせなかっただけでなく、陣形を整える暇すら与えなかった。これでリズムをつかんだ。

 昨年は違った。ハイパントの後に、懸命に走って重圧をかけ、相手のミスを誘う形が目立った。しかし、この試合は全員に崩す意識があった。前半23分、FWのショートパスで中央を突破。田村―堀江―松島―ラファエレとつながる美しいトライで22―7と突き放した。自分たちで仕掛ける形になっている。

 課題はモール。押し込まれて2トライを許した守備だけでなく、攻撃でも崩せなかった。キックオフからの反撃も反省がある。簡単に蹴らなかったが、縦を突くのか、回すのか、意思疎通に欠き、危ない場面をつくった。

 せっかく点を取っても、ピンチから始まっては元も子もない。フィジーのミスに助けられたが、後半はどう転んでもおかしくなかった。(11年W杯日本代表主将、19年W杯アンバサダー)

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