順大・小松主任教授の見解「投薬の予後が良ければ半年ほどで治ることも」

[ 2019年2月13日 05:30 ]

競泳・池江璃花子 白血病公表、療養専念へ

白血病であることを公表した競泳女子の池江璃花子
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 順天堂大学主任教授(血液内科)で医学博士の小松則夫氏は池江について「疲れが取れにくくなっていたという報道から考えると、恐らく貧血の症状が出ているだろうから急性の可能性が高い」と推測した。白血病は血小板が減ることから血が止まりにくくなり、歯茎から出血することなどが多くなる。池江のように疲労などの症状が出て発覚するケースも多く、国内では年に1万4000人程度が白血病と診断されている。20歳未満のがんの中では最も多い。

 今後の治療については急性と慢性、骨髄性とリンパ性で違いはあるが、一般的に染色体の検査などをした上で数種類の投薬を行う導入療法で完全寛解を目指す。小松氏は「投薬による予後が良ければ半年ほどで治ることもあるが、骨髄移植になった場合は維持療法を1年以上続ける必要がある」と指摘。代表選考レースもあるため、移植となった場合は2020年7月24日開幕の東京五輪は遠のく。

 小松氏は「白血病は不治の病ではなくなっている」と話す。大人では子供より治癒率は下がるものの、子供の急性白血病は6〜8割が治るようになってきたとも言われている。

 再発を防ぐ免疫力を高めるために小松氏は「気持ちの部分も大事」とメンタル面が治療に与える大きさを指摘。「克服して五輪の舞台に立てれば、勝つか負けるかは別として拍手ですよ。同じ病気の患者もいっぱいいるので、その人たちの励みになってくれたら」と話した。

 横浜南共済病院(横浜市金沢区)の血液内科医師の田近賢二氏も治療技術の進歩を強調。「遺伝子検査が進んだことで効率の良い治療法を選択できたり、使える薬剤も増えている」と語る。まずは抗がん剤などの薬物療法で異常な血液細胞を死滅させ、正常な細胞が増えるようにするのが基本だといい「他に悪い部分がなければ、治療法を制限せずしっかりした治療が受けられる」とした。

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2019年2月13日のニュース