稀勢、進退懸ける 5場所連続休場から始動「ここじゃ終われない」

[ 2018年1月25日 05:30 ]

稽古再開のために田子ノ浦部屋に現れた稀勢の里
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 5場所連続休場となった横綱・稀勢の里(31=田子ノ浦部屋)が次に出場する場所に進退を懸ける覚悟を示した。19日の初場所6日目から休場した稀勢の里は24日、東京都江戸川区の田子ノ浦部屋で稽古を再開。苦渋の決断に至った今場所の休場について語るとともに、自身の進退問題についても初めて言及した。

 休場後は負傷した左大胸筋などの治療に専念していた稀勢の里が、6日ぶりに田子ノ浦部屋に姿を現した。横綱が5場所以上連続で休場するのは、年6場所となった1958年以降に誕生した横綱では6人目。場所後の横綱審議委員会で進退に関する話題が出るのは必至だ。稀勢の里は「(横綱に)上がった時から、そういう思いでやってきた。いろんなことがあっての、そういうことだと思う。しっかり覚悟を持っている」と次に出場する場所に進退を懸ける覚悟を明かした。

 復活を期して臨んだ今場所は一定の手応えをつかんでいた。だが、3日目あたりから体に異変が起きた。「初日、2日目と状態は非常によかった。3日目ぐらいから筋肉の収縮が悪くなって、力が入りにくくなった」。3日目の逸ノ城戦から3連敗。「最後までやろうという気持ちだった」が体がついていかなかった。そして「苦渋の決断」に至った。

 1年前のこの日は、横綱昇進が正式決定する臨時理事会の前日で、田子ノ浦部屋の前で横綱土俵入りを雲龍型にすることを明かした日。「早かった。いろいろ勉強させてもらった」と振り返る。歯車が狂ったのは新横綱優勝を飾った昨年春場所での左上腕、左大胸筋の負傷だった。そこから5場所連続休場。仮に春場所に出場して結果を出せないようなら、琴桜、三重ノ海、双羽黒の在位8場所を下回る7場所での引退になりかねない。

 進退を懸ける場所に向けて、早くも準備を始めた。これまでは休場した場所中は、安静に努めることが多かったが、この日は大関・高安ら部屋の力士の稽古が終わった後に、非公開で稽古を再開した。上半身に負担はかけられないため「四股、すり足から。また今日から、しっかりつくり直して」と話した。2月の大相撲トーナメントなどで土俵入りは披露する予定。節分の豆まきにも参加する。

 復活を望むファンに、再び強い姿を見せたい。その気持ちはなくしていない。「ここじゃ終われないという気持ちはある」。退路を断った和製横綱は、自分を信じてイバラの道を突き進んでいく。

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2018年1月25日のニュース