春日野親方 隠蔽を否定 当時の北の湖理事長ら「協会に報告」

[ 2018年1月25日 19:32 ]

春日野親方
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 大相撲春日野部屋の傷害事件で、被害者の元力士矢作嵐さん(22)の師匠だった春日野親方(元関脇栃乃和歌)は25日、東京都墨田区の両国国技館で取材に応じ、2014年9月の事件発生後に、当時の日本相撲協会の北の湖理事長(元横綱=故人)らに報告したと明らかにし、自身の隠蔽を否定した。

 相撲協会の担当者は、傷害事件を公表しなかったことについて、矢作さんと加害者の元力士(24)が16年6月に有罪判決が確定した時点で引退していたため「協会員ではない方の判決で、個人情報の観点からも取り立てて公表するものではない」と説明した。

 春日野親方は、北の湖理事長らに報告した時期に関しては「(事件後)3カ月とか半年ではない、そんなにかからずに(報告した)」と主張。理事長の他、当時の危機管理担当顧問と広報部長だった出来山親方(元関脇出羽の花)に伝えたとした。春日野親方は16年3月に協会理事に就任し、広報部長を務めている。

 矢作さんは14年10月に元力士を傷害容疑、春日野親方を保護責任者遺棄容疑でそれぞれ刑事告訴した。元力士は傷害罪で起訴され、懲役3年、執行猶予4年の有罪判決が確定。春日野親方は不起訴処分になった。

 矢作さんは昨年3月、民事訴訟も東京地裁に起こし、春日野親方と元力士に3千万円の損害賠償を求めた。暴行の後遺症で味覚を消失したと訴え、親方には元力士に対する監督責任があったとしている。

 訴状などによると、14年9月5日夜、元力士から暴行を受け顎の骨を折る全治1年6カ月の重傷を負った。元力士が若い力士を集めて掃除の仕方を注意しようとした際、指示に反し、先輩力士のマッサージ中だった若手も呼びに行ったため、腹を立てた元力士から暴行を受けたという。

 裁判では矢作さんは、親方は「冷やしておけば治る」などと言って早期に適切な治療をさせず、症状を悪化させ、元力士に対する指揮監督も怠ったと訴えている。

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2018年1月25日のニュース