阿部きょうだい兄・一二三、2年ぶりV 東京五輪は2人で金だ

[ 2016年12月3日 05:30 ]

柔道グランドスラム東京大会第1日 ( 2016年12月2日    東京体育館 )

<柔道グランドスラム東京2016>メダルを手に笑顔を見せる阿部一二三と妹・詩
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 男女5階級が行われ、男子66キロ級では阿部一二三(19=日体大)が豪快な投げ技を連発して2年ぶりの優勝を飾った。決勝では11月の講道館杯で敗れた橋口祐葵(ゆうき、22=明大)に背負い落としで一本勝ち。女子52キロ級で準優勝だった妹の阿部詩(うた、16=兵庫・夙川学院高)の活躍にも奮起し、東京五輪金メダル候補の実力を示した。同60キロ級はリオ五輪銅メダルの高藤直寿(23=パーク24)が永山竜樹(20=東海大)に敗れ準優勝。女子48キロ級はリオ五輪銅メダルの近藤亜美(21=三井住友海上)が2回戦で敗れ、敗者復活戦を経て3位になった。

 お兄ちゃんは強かった。男子の大会最年少優勝を飾った2年前。当時の自分を思わせる妹の快進撃に「お兄ちゃんとしては負けられない」とプレッシャーも感じた。それでも妹が決勝で敗れた後、阿部は圧巻の一本勝ちを収めた。「同じ試合に出て刺激し合えるのはいいこと。最後は五輪で兄妹優勝を目指したい」。試合前に口を大きく開けるルーティンも一緒の2人はメダルを手に笑顔を見せ合った。

 3週前の講道館杯で2敗を喫し、表彰台さえも逃した。まさかの惨敗に組み手を見直し、相手の研究にも謙虚に取り組んだ。準々決勝では14、15年世界選手権銀メダルのプリャエフ(ロシア)から大内刈りで技ありを奪い、決勝では講道館杯で敗れた橋口を軽々と持ち上げた。相手の組み手を落として距離を詰め、自分十分の組み手になればすかさず担ぐ。持ち味の攻撃力を発揮し、海外勢も日本勢も問答無用で畳に叩きつけた。

 改めて実力を証明し「凄くうれしい。ホッとしている」と自然と笑みがあふれた。「高2の時は勢い、がむしゃら。今回はじりじり圧をかけて一本を取れた。進歩している」。リオ五輪代表には届かなかったが、代表争いの経験と悔しさは東京への糧になっている。

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