稀勢の里が綱3連破!“ノーマーク”大進撃「また明日、やるだけ」

[ 2016年11月25日 05:30 ]

大相撲九州場所12日目 ( 2016年11月24日    福岡国際センター )

<大相撲九州場所12日目>支度部屋で大勢の報道陣に囲まれる稀勢の里
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 圧巻の横綱3連破で、大関・稀勢の里が優勝争いに食らいついた。横綱・日馬富士との60回目の対戦は先に相手にまわしを許したが、強烈な左からの攻めで一気に出て寄り切った。稀勢の里が1場所で3横綱を倒したのは初めて。3日連続の横綱戦勝利は初場所の琴奨菊以来で史上10度目となった。横綱・鶴竜が1敗を守って再び単独トップに立ち、2敗は稀勢の里、日馬富士、石浦の3人となった。 12日目取組結果

 横綱3人に土をつけても、稀勢の里はそれが当然と言わんばかりに堂々としていた。勝った瞬間の気持ちを聞かれると「また明日、やるだけ」と答えるなど、勝利の余韻に浸ることもなかった。

 圧巻の相撲内容だ。九州場所60周年の節目に、12年前の九州場所で同時新入幕となった日馬富士との60回目の対戦。「とにかく前に出る気持ち」が勝利に結びついた。先場所同様に右喉輪で上体を起こされたが、その後が違った。喉輪を振りほどいた後に左下手を取られても、構わず圧力をかけた。相手の右巻き替えに対して強烈な左おっつけ。右から抱えながら一気に寄り切った。日馬富士とは年間最多勝争いで並んでいたが、67勝で頭一つ抜け出した。

 3横綱には勝負どころでことごとく敗れてきたが、今場所は3日続けて破った。今年初場所で琴奨菊が3横綱を圧倒して初優勝を手繰り寄せたように、過去に3日連続横綱戦勝利の力士は9人中7人が優勝している。V確率は77・8%。稀勢の里の上を行くのは鶴竜ただ一人となっただけに、初優勝の可能性はさらに広がってきたと言える。

 八角理事長(元横綱・北勝海)も稀勢の里の相撲を称賛した。「立ち合いが良かった。左が入り相手を根こそぎ持っていった感じ。仮にこのまま優勝しなくても、来場所が楽しみになってきた」と再び綱獲りを狙える状況であることを認めた。

 先場所は5敗を喫して綱獲りが白紙となった。敗れた5人のうち、今場所は豪栄道、鶴竜、日馬富士と当たり、全て白星を挙げた。13日目も先場所敗れた栃ノ心と対戦する。「思い切ってやるだけ」の言葉通り、無心で臨むことができれば、結果は自然とついてくる。

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