松山、ハマの番長エールに応えた首位発進 世界7位の貫禄65

[ 2016年11月11日 05:30 ]

男子ゴルフ 三井住友VISA太平洋マスターズ第1日 ( 2016年11月10日    静岡県御殿場市 太平洋C御殿場C=7246ヤード、パー72 )

<三井住友VISA太平洋マスターズ初日>スタート前、三浦大輔氏(左)と握手する松山英樹

 これが世界7位の力だ。2週前の世界選手権シリーズ、HSBCチャンピオンズを制したばかりの松山英樹(24=LEXUS)が凱旋試合で1イーグル、6バーディー、1ボギーの65をマーク。7アンダーで首位発進を決めた。好スタートを生かし、11年以来の大会2勝目を狙う。1打差の2位には宮本勝昌(44=ハートンホテル)がつけた。 第1R成績

 さすがの貫禄だ。松山は「要所、要所でバーディーチャンスにつけることができた」と65をマークし、初日としては日本ツアーでは初めてリーダーボードのてっぺんに座ったまま終えた。

 スタート前には今季限りでの引退を発表した元プロ野球横浜の三浦大輔さんから激励を受けた。ハマの番長も熱い視線を送る中、迎えた出だしの10番パー4。いきなりギャラリーの度肝を抜いた。ピンまで153ヤードの第2打を9Iでピンの根元10センチにピタリとつけるスーパーショットを披露し、“お先にバーディー”で幸先良く滑りだした。続く11番パー5では1Wで293ヤードを飛ばし、残り241ヤードを4Iで右手前5メートルに2オン。イーグルパットはカップをそれたがきっちり連続バーディーを奪った。

 思い出の場所では再びイーグルだ。18番パー5は東北福祉大2年だった11年大会の最終日に右ラフからの第2打を50センチにつけて史上3人目のアマ優勝を決めたホール。この日は1Wでフェアウエーを捉えると、残り227ヤードを4Iで右3・5メートルに2オン。イーグルパットを丁寧に流し込んだ。

 ボギーは1つだけ。はたから見れば圧巻のゴルフだが、実は最後までプレーは手探り状態だったという。「ショットは特別良いとは思わない。最後まで風で飛んでいるのか日が出て暖かくなったことで(体が動いて)飛んでいるのか、感覚がつかめないままプレーしていた」。パーオン率は77・78%で13位、フェアウエーキープ率は64・29%で25位。マレーシア、上海と気候がまるで異なる場所から転戦しているが、本調子でない中、環境への対応力を示した。

 同組の2人もお手上げだ。東北福祉大の先輩、谷原が「調子が良さそうには見えないのに伸ばして素晴らしい」と脱帽すれば、開幕前に松山と練習ラウンドをした後輩の比嘉も「練習の時より一打一打に対する集中力が凄い」とうなった。

 前日のプロアマ戦に引き続き、ラウンド中には時折首を気にするそぶりも見せたが、スタート前にトレーナーのケアを受けるなどして「良くなっている」と語った。11日の第2ラウンドは雨の予報だが、「1つでもスコアを伸ばすとギャラリーの方が喜んでくれると思う。たくさんバーディーを取りたい」。トップランカーは悪条件にも屈しない。

 ▼松山の日本ツアーでの初日首位発進は今回が初めて。初日における最高位は13年日本プロゴルフ選手権、日本ゴルフツアー選手権、フジサンケイ・クラシックの2位だった。なお、米ツアーでの首位発進は4度あり、優勝につなげたのは今年2月のフェニックス・オープン。2日目は4位に下げたが、3日目に2位に浮上し、最終日はリッキー・ファウラー(米国)とのプレーオフを制した。

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