“目覚めた隠岐の怪物”また大物撃破!無傷の6連勝

[ 2016年9月17日 05:30 ]

<大相撲秋場所 6日目>全勝の隠岐の海

大相撲秋場所

(9月16日 両国国技館)
 東前頭筆頭の隠岐の海が大関・琴奨菊を小手投げで破り、2横綱3大関を撃破して6戦全勝とした。平幕が2横綱3大関を倒すのは85年名古屋場所の北尾以来31年ぶり3人目。7日目の大関・豪栄道との全勝対決を制すれば、関脇以下で史上初の「出場した6人の横綱大関を総ナメ」という偉業が実現する。豪栄道、隠岐の海の2人が無敗で、1敗で日馬富士と平幕の遠藤、旭秀鵬の3人が追う展開となった。

 角界の「神ってる」男の旋風が止まらない。ここまで2横綱2大関を破って連勝街道を走ってきた隠岐の海が“5人目の看板力士”琴奨菊も撃破した。立ち合いで右から張ってきた大関に左四つの体勢を作られ、グイグイ寄られて土俵際に。しかし、スポンジのような柔らかい体で圧力を吸収する。そして焦ることなく回り込み、最後は絶妙な右からの小手投げでゴロリと土俵に転がした。

 平幕が5人の横綱大関を倒す“珍事”が起きたのは、85年7月29日に隠岐の海が島根・隠岐島に生を受ける直前の名古屋場所以来31年ぶり。後に横綱・双羽黒となる東前頭筆頭・北尾が千代の富士と隆の里の2横綱と3大関を総ナメして大関昇進への足掛かりをつくった場所だ。どんな大仕事を成し遂げても、ひょうひょうとした表情を浮かべる31歳は「内容は悪いけど大関相手に内容は求めない。今場所は勝ってるからいいっス」と言葉にも揺るぎはなかった。

 来場者投票による懸賞金の森永賞に自身の取組が選ばれるなど明らかにファンも“隠岐の海旋風”に注目し始めている。だが、師弟ともども現状についての意見は一致。師匠の八角理事長が「まぐれだ。彼自身は変わっていないが、周りが意識しているように見える」と話せば、本人も「俺よりも周りが意識している。琴奨菊関も(珍しく)右から張ってきた。何か違うことをしようと思っているのですかね。こっちはいつも通り」と分析。新聞も読まず夜も外出せず自宅で過ごす。周囲がどんなにざわつこうが、あくまでも自然体で暮らしている。

 7日目の豪栄道との全勝対決に勝てば、関脇以下で史上初の「出場した横綱大関6人総ナメ」となる。「これから連敗するかもしれない。その気になったら負け」。元来マイペースな性格で重圧も感じない。潜在能力は横綱大関級と言われる“目覚めた隠岐の怪物”の神がかり的活躍はどこまで続くか。

 ▽三役の横綱大関撃破 6人を破ったのが最高。84年春場所に関脇・大乃国が3横綱3大関に勝利(大関に1敗)。87年春場所では、小結・益荒男が2横綱4大関に土をつけている(大関に1敗)

続きを表示

この記事のフォト

2016年9月17日のニュース