東芝 快勝発進!“雑草”松岡2トライ「今日は100点」

[ 2016年8月28日 05:30 ]

<東芝・クボタ>前半15分、東芝の松岡がトライを決める

ラグビートップリーグ第1節最終日 東芝22―19クボタ

(8月27日 秩父宮)
 6試合が行われ、昨季準優勝の東芝は22―19でクボタに競り勝ち、7季ぶりのリーグ制覇へ好スタートを切った。東芝は2年目で公式戦初出場初先発となったWTB松岡久善(23)が逆転トライを含む2トライと爆発。分厚い選手層の強豪で開幕先発を勝ち取ったトライアウト上がりの“雑草”が、強烈なインパクトを放った。また、13季ぶりの優勝を目指す神戸製鋼は、NTTコミュニケーションズに27―17で逆転勝利を収めた。

 度肝を抜く加速力だった。4点を追う後半16分。左タッチライン際の松岡は静止した状態でパスを受けると、わずかな距離でトップスピードに乗り、足元に迫る相手のタックルをかわした。左隅に飛び込む逆転トライ。走った距離はわずか7メートルながら、他の追随を許さぬ加速力でチームに勝利をもたらした。

 「トライは運が良かったと思うけど、うれしかった。(自己採点は)甘いと思うが、今日は100点を付けたい」。

 3点を追う前半14分にも約20メートルを走りきって一時逆転となる初トライ。冨岡鉄平ヘッドコーチは「最高のパフォーマンスを見せてくれた」と最大級の賛辞を贈った。

 兵庫・村野工では当初野球部に入部。1年の夏に担任教諭らから誘いを受けて転部した。卒業後は就職する予定だったが、足の速さを買われて関西大学リーグAの摂南大に入部。4年だった14年7月、ウイングを探していた東芝のトライアウトを受けると、「人生を懸けて来ていた」(冨岡ヘッドコーチ)と評価されて東芝入りが決まった。

 1年目の昨季はレベル差に付いていけず、同期6人中4人が公式戦デビューを果たす中、イップスで簡単なパスが捕れないほどの不振に陥った。4月には指揮官から「今季ダメなら…」と戦力外をにおわされたが、「できないことをやろうとせず、思い切りやる」と持ち味を信じた結果、並み居るライバルを抑えて11番を獲得。1年の遅れを一気に取り戻した。「まずはコツコツ東芝のレギュラーを獲る」。無欲のウインガーが、さらに日の当たる場所へと飛び出していく。

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2016年8月28日のニュース