山県、リオ五輪9秒台か決勝進出で5000万円超高級時計

[ 2016年7月1日 06:46 ]

ファイナリスト目指してスタートのポーズを決めるリオ五輪100メートル代表の山県

 陸上男子100メートルのリオデジャネイロ五輪代表・山県亮太(24=セイコーホールディングス)が、歴史的快走でビッグボーナスを狙う。各地でリオ五輪代表の壮行会が開かれた30日、山県は都内で所属先の壮行会に参加。同社の服部真二会長(63)が山県が五輪で9秒台か決勝に進出した場合、特注の腕時計を贈ることを明言した。同社の最高価格の腕時計は5000万円(税抜き)で、これを上回る価値の逸品が、フィニッシュの先に待つ。

 ライバルが現金なら、こちらは超高級腕時計だ。ケンブリッジは日本初の9秒台をマークすれば1億円が所属のドームから贈られるが、セイコーホールディングスも9秒台かリオ五輪での決勝進出を条件に、山県への特別ボーナスを決めた。同社の最高価格の腕時計は5000万円の「FUGAKU」。服部会長は「それ以上の価値のあるものをお贈りしたい」と話した。

 山県のモチベーションはもちろん加速する。「ビックリですね。日頃から良くしていただいているにもかかわらず、こんな素晴らしいものをいただける可能性がある。もっと頑張っていこうという思いを新たにした」。服部会長は「セイコーの持つ技術を結集する」と話し、リオの風景やマークした9秒台のタイムを彫り込んだデザインをイメージしている。

 6月25日の日本選手権男子100メートル決勝では序盤でリードしながら、ケンブリッジに逆転を許した。わずか0秒01差での敗戦。「日本選手権の反省を次に生かせば、もっといいレースができる」。スタートは抜群だったが、中盤の加速に課題が残った。今後は23日の実業団・学生対抗(平塚)に出場し、加速力に磨きをかけていく。

 20歳で出場したロンドン五輪から4年。両脚の肉離れや、腰痛などの故障を乗り越え、リオのスタートラインに立つ。「9秒台とファイナリストを目指して頑張る。今は(9秒台も)手の届く位置にある。狙って出せるようになりたい」。“10秒の壁”を破り、32年ロサンゼルス五輪の吉岡隆徳以来、84年ぶりのファイナルへ。「時の記念日」に制定された6月10日生まれのスプリンターが、新たな時を刻む。

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2016年7月1日のニュース