片山29勝目 最終R中止で賞金20億円超お預けも「僕らしい」

[ 2015年11月16日 05:30 ]

片山は副賞のBMWの前で笑顔

男子ゴルフツアー 三井住友VISA太平洋マスターズ最終日

(11月15日 静岡県御殿場市・太平洋クラブ御殿場コース=7246ヤード、パー72)
 最終ラウンドはコースコンディション不良のためスタート時間が30分遅れた後、中断を挟んで霧による視界不良のため中止。競技は54ホール短縮で成立となり、第3ラウンドを終えて通算14アンダーで首位に立っていた片山晋呉(42=イーグルポイントGC)が今季初優勝、ツアー通算29勝目を飾った。バッバ・ワトソン(37=米国)が2打差の3位。大会2勝の石川遼(24=CASIO)は通算6アンダーの24位だった。

 永久シード保持者でも知らない勝利の味だった。片山はスタート前のショット練習場で競技中止の一報を聞き「もがいても勝てなかったが、こういうふうに勝てるんだなと。ちょっと違う感じですね」と通算29勝目を挙げた感想を口にした。

 54ホールで叩いたボギーは第3ラウンドの12番の1つだけとゴルフは好調そのもの。だが来年1月で43歳になるベテランは「あっちが痛い、こっちが痛いってね」と昔より体を気遣うことが増えた。そんな片山が突如「(先週の)月曜日に鷹の話を読んだんですよ」と切り出した。その雑誌によると鷹は40歳ほどになると獲物を狩るための爪やくちばしがもろくなるほか、羽が重くなって飛べなくなり最後は死ぬ個体が多いという。だが、生命力の強い鷹は自らくちばしを折り、新しく生えたくちばしで爪を剥いで羽をむしると半年ほどで若い姿を取り戻し、70歳くらいまで生きる。その姿に「凄いんだよ!」と共感。最近は本や雑誌を読んで共鳴したエピソードをスマートフォンで写真に収め、時折眺めては士気を高めている。

 競技短縮で賞金加算が75%となったため、生涯獲得賞金は19億9906万709円で尾崎将司以来2人目の20億円超えはならなかったが「僕らしい」とニヤリ。「今の調子なら優勝争いはできる。今季中に通算30勝を決められたら最高だね」と貪欲な鷹は羽ばたくことをやめない。

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2015年11月16日のニュース