吉田香織 日本人トップ2位も…凡タイムで厳しいリオ切符

[ 2015年11月16日 05:30 ]

日本人トップの2位でゴールする吉田

さいたま国際マラソン

(11月15日 さいたまスーパーアリーナ発着)
 夢舞台が遠のく凡タイムだ。16年リオデジャネイロ五輪の代表選考会を兼ね、第1回大会が行われた。吉田香織(34=ランナーズパルス)が2時間28分43秒で日本人トップの2位に入ったが、00年シドニー五輪以降の国内代表選考会では、日本人トップとしてはワーストのタイム。伊藤舞(31=大塚製薬)が既に決定し、残り2枠の代表入りの可能性は極めて低い。

 リオへの期待が何も持てないまま記念すべき第1回が終わった。吉田が自己ベストをマークしたが、2時間28分43秒止まり。起伏の激しいタフなコースという前評判も、優勝したバイッサは「どんなに厳しいかと思ったけど、走ってみると簡単だった」と余裕の表情で、代表選考会としては言い訳不要の凡タイムだ。

 吉田は12年12月のホノルルマラソン後の検査で持久力を高めるエリスロポエチンの陽性反応を示し、ドーピング違反で13年1月から2年間の資格停止処分を受けた。実業団に所属しない市民ランナーとして出直し、練習も40キロなどの距離走重視をやめ、スピード系のメニューも取り入れた。埼玉出身の34歳は「地元で多くの声援を受けて走ることができて大満足!」と笑ったが、リオにつながる可能性は低い。

 吉田も「選考に上がるのはちょっとなあ、というタイム」と諦めムード。「(12月に)駅伝があるので若い選手が出られなかった。大阪国際(16年1月)、名古屋(同3月)は若い選手が出てくるでしょう」と日本陸連の酒井強化副委員長。女子マラソンの苦闘にピリオドを打つヒロインは、現れるのだろうか。

 ▽女子マラソンのリオデジャネイロ五輪への道 枠は3。今夏の世界選手権で7位に入った伊藤舞(大塚製薬)が決定。残り2枠をさいたま国際、来年1月の大阪国際、3月の名古屋ウィメンズで争う。各大会日本人3位以内が選考対象で、本番での活躍が期待される選手を選考。日本陸連の設定記録2時間22分30秒を切った選手は優先的に選ばれる。

続きを表示

2015年11月16日のニュース