猪瀬前都知事 同率1位案を推奨「今からコンペは間に合わない」

[ 2015年7月25日 09:22 ]

新国立競技場の問題に言及した猪瀬直樹氏

 前東京都知事で五輪・パラリンピック招致を推進した猪瀬直樹氏(68)が25日、日本テレビ系「ウェークアップ!ぷらす」に生出演。新国立競技場の建設計画見直しについて「今からコンペをやったら間に合わない」として前回コンペでザハ・ハディド氏のデザインと並び同率1位だったオーストラリアの建築設計事務所「コックス・アーキテクチャー」のデザインと計画を進めるべきだと主張した。

 安倍晋三首相は17日、「計画を白紙に戻し、ゼロベースで計画を見直す」と宣言。今秋以降に新たなデザインや計画、建築を一体として選ぶ国際コンペを実施し、来年初めごろに設計、施工に着手する予定とされている。

 だが猪瀬氏は「今から公募したらまた半年かかる」と政府の案に否定的で、「デザインコンペでザハ・ハディド案が決まった時にオーストラリア出身の人の同率1位の別の案がありました。あれは2位じゃない、1位なんだよ。1位が2つあって、安藤(忠雄)さんがザハ・ハディドにした」とザハ氏案が採用された経緯を改めて説明。その上で「同率1位の案をすぐ積算にかかって、1300億円以内に収めるような設計施工をきちっと一緒にやるような形で出せば」「今からコンペやっていたら間に合わないですよ」と「コックス・アーキテクチャー」のデザインを採用すべきだと訴えた。

 新国立競技場の建設計画の費用が膨大となっている問題については「1つはJSCとか文部科学省は建設のプロじゃないから。国土交通省ならこんなかかるはずないとか、どこかごまかしているだろとか言い方はできるはず。窓口が建設の素人だとそういうことがこの大きいプロジェクトだとできない」と文科省が交渉に当たったことの弊害に触れ、さらに「(文部科学大臣の)下村(博文)さんもそうだし、関わっている人たちが組織委員会会長の森(喜朗)さんの意向を忖度(そんたく)する形になる。そういう中での責任体制が問われたと思いますね」と責任者不在になった構造も指摘した。

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2015年7月25日のニュース